« 九電の内部統制VS第三者委員会(中間報告書の公表) | トップページ | 主任航空管制官の守秘義務違反疑惑事件(何があったの?) »

2011年9月10日 (土)

オリンパス配転無効事件-最高裁へ-

先日、ご紹介したオリンパス配転無効確認等請求事件の控訴審判決ですが、エントリーで予想しましたとおり、やはりオリンパス社側は上告をしたそうであります(読売新聞ニュースはこちら)。「当社の見解と控訴審判決では大きな隔たりがある」(広報室)とのこと。

内部通報の運用に関わる論点が、最高裁でどのように判断されるのか(ひょっとして判断されない可能性もありますが)、非常に興味のあるところで、今後の上告受理、上告申立事件の手続きについて注目しておきたいと思います。

ちなみに朝日「法と経済のジャーナル」で知りましたが、消費者庁が内部告発の実態調査に乗り出すそうです。今年3月、公益通報者保護法の改正が見送られましたので、ぜひ立法事実の解明につながるような調査を期待いたします。

9月 10, 2011 内部通報制度 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104680/52690101

この記事へのトラックバック一覧です: オリンパス配転無効事件-最高裁へ-:

コメント

高裁止まりと最高裁判決では公刊物に登載される率がハンパなく違います。必然的に第一審・第二審判決の事実関係も広く読まれることになります。「オリンパス事件」として未来永劫教科書に載り続ける。これらに伴うデメリットよりもメリットが上回るという判断なのでしょうか。
高裁判決に対して思うところがあるとしても、それは場外で主張するにとどめ、それはそれとして真摯に人事制度の運用見直しに努めるとプレスしたほうがよっぽどましだったと思います。

投稿: JFK | 2011年9月10日 (土) 23時22分

同じ勤め人(O社じゃありませんよ(笑))として心が痛くなる、
同じ人間としては何と恥曝しな、恥の上塗りをするのかと。

不買運動でも起こしますか。

アメリカの訴訟での高額賠償例は総じて感心しませんが、
こういうケースを見聞きすると、
百億円ぐらい払わさない(払わないといけないという危機感がないと)
企業の風土は変わらないのかなと思ってしまいますね。

投稿: 機野 | 2011年9月10日 (土) 23時24分

 JFKさんの意見に賛成です。さしずめ「判例集リスク」とでもいうのでしょうか。企業名がついた有名な判決は結構ありますね。

 今回の場合、事実認定を最高裁が動かすことはまずないでしょうから、
高裁の事実認定のままでオリンパスが勝てるのはどのような法律解釈の誤り等なのか、とても知りたいです。山口先生、何かないでしょうか?

投稿: Kazu | 2011年9月14日 (水) 17時44分

常連の皆様、コメントありがとうございます。レピュテーションという意味でいうならば、後半部分で認定されている「○○くん、教育プログラム」のようなものが表現されていることがとても怖いですね。
事実認定が詳しければ詳しいほど、逆に内部通報したい人にとって「こういった制裁があるぞ」と脅されているようで、逆効果について不安を感じるところもあります。

Kazuさんのご指摘につきまして、「何かないか」とのことですが、現在進行形の裁判に関する専門家コメントはちょっと控えさせてください(笑)

投稿: toshi | 2011年9月15日 (木) 18時58分

経済メリットを考えると、何十億もの広告費をつぎ込んでイメージ向上を行っても、たった一つの判例で卑劣な行為を行った企業とのイメージが長期間にわたって付いてしまいます。

経済的合理性から考えても、従業員に対してフェアな対応が求められていると思います。

こういったことは企業内弁護士の採用で徒に訴訟に持ち込まず解決出来るのではないかと思うのですが・・・顧問弁護士は訴訟で儲かりますからあえてトラブルを大きくして訴訟に持っていくインセンティブが働き利益相反のような状況が発生します。

顧問弁護士との利益相反を防ぐために企業内弁護士の採用を進めていくメリットを感じています。

投稿: ターナー | 2011年9月15日 (木) 20時21分

 高裁判決では“法廷事実”以上の事実が分かりませんので、一般論としてですが、通報した人の「その後」はかなりの割合でレイシズムのような圧迫の中で過ごさざるを得ないのではないかと感じています。
 もちろんトップの強い意志が働いて、組織内で浮き上がらないで済んでいるケースもあるのでしょうが、見知っている実例は異端の視線を浴びてしまうことが多かったです。
 もっぱら企業統治の側からの議論が目に付きますが、実際の当事者は弱い1個人です。もし不正や不祥事発覚の端緒になったのであれば、2階級特進の特別昇給ぐらいあってしかるべきです。しかし正直な実態は逆に作用していないでしょうか。
 ある意味分かりやすいオリンパスのようなケースよりも、職場内など水平関係の中で自然発生的に“村八分”状態を知恵の働く会社が利用したり、助長したりしていることがあるのではないでしょうか。
 内部通報制度が有効に機能するためには、善意の通報者が決して不利益を被らないことが前提ではないでしょうか。この中には会社対労働者という上下関係での不利益ばかりではなく、毎日を過ごす水平関係で起こる心理的な圧迫やシカトといった、学校のいじめのような状況をどう排除できるかが大切ではないかと思います。しかし異なる分子を排除しようとするのは組織に内在する原理とも言え、実効性のある解決策は知りません。
 会社側は担当者が代われば済むことも、通報者には一生の問題であり、お金を貰っても雇用契約の継続がなったとしても、実質的なリカバリーでは全くありません。
 通報者目線での「通報後」の検証などが行われることが必要な時期ではないだろうかと感じています。

投稿: tetu | 2011年9月16日 (金) 14時39分

ごく素朴な感情論としては、最高裁でな「何が何でも原告=Hさん勝訴」の「お墨付き判決」を出して欲しいな、と思います。
もし万が一再度の逆転で「会社側勝訴」となった場合、今後のこの制度の意義自体がまた振り出しに戻る、いや、完全に意味の無い制度として「確定」してしまうと思うからです。
それと、別のアングルからややペシミティックに言うなら、もし「会社側の敗訴が確定」した場合、今度は同社の法務部やコンプライアンス担当窓口者らに対して、社内で相当厳しい評価により「今度は彼らが落とされていく」のだろうなあ、と想像します。そして会社はそれで「一件落着」として、まるで何も無かったかのように、「ああ、あれは窓口担当者のミスでして」なんて「えっ?」と思うような言い訳で逃げて忘れさせて「業務に邁進」していくのだと想いますよ。
要するに「同社の体質は結局何も変わらない」、というエンディングが見える気がします。悲観的すぎますか?(笑)
まあ、別に同社とは縁もゆかりもないから、「その程度の会社だよ」ということで私の認識も「エンド」しますが。

投稿: 伊藤晋 | 2011年9月17日 (土) 02時42分

 今回の判決で認定された事実から見て、不思議だなと思ったのが、引き抜き行為を1人行い、二人目を断念した後、取引先に対して取締役が謝罪に行っているのです。もし、私が取締役であれば(現実は、そんなに偉くはないですが)、「上司に恥をかかせた」「取引先との関係を悪化させた。」として、上司2名の方(判決では、取引先から出入り禁止だとか。)の業績評価を下げ、左遷するのですが・・・・。
 これから入るであろう優秀な研究者の卵が、上司に謝罪をさせるような行為を行った部下が出世して、上司を謝罪させる行為を止めようとした部下が・・・・・という会社には勤めたいと思うでしょうか。

投稿: Kazu | 2011年9月21日 (水) 10時56分

http://blog.livedoor.jp/advantagehigai/archives/65765223.html
としあき先生お久しぶりです。オリンパスは先生の専門分野ですので、記事を楽しみに拝見しております。ところで、一部報道によると、オリンパス側の弁護士が、産業医と結託して精神病と診断させ合法的に解雇しようとした疑いがあるようです。このあたりは、弁護士がどこまでやってよいのか、線引きの問題として注目できると思いますがいかがでしょうか?

投稿: 山口三尊 | 2011年9月22日 (木) 11時27分

みつたかさん、おひさしぶりです。
あまりいじめないでくださいよ(..;)
ビックリですが、ここでコメントはちょっと出せないです。

ただ、相続事件等において「認知症」の鑑定にあたり、双方代理人が別々の医師から鑑定意見をもらってくる、ということはよくあるのは事実です。精神疾患というのは、医師によってかなりテスト結果に差が出ますので、こういったこともありうるように思えます(あくまでも一般論としてですが・・・)

投稿: toshi | 2011年9月22日 (木) 11時43分

山口三尊さんの情報は、にわかには信じ難いほど衝撃的な内容ですが、仮に事実だとしたら、とんでもないことですね。その点のみに限ってすら名誉毀損等で慰謝料請求等、争えますし、Hさん勝てる内容ですね。
まあでも、これは相当「ウラ」を確認しないと(真実か否かを調べないと)、軽々しく取り上げられないことですよね。

投稿: 伊藤晋 | 2011年9月22日 (木) 11時53分

 成り行きを注目しています。それは代理人の弁護士を始め、オリンパス側関係者などが完全実名でネット上に公開されていることです。ネットの特性として半永久的に公開され続けるので、事実なら弁護士全体へのマイナスイメージになるでしょうし、違うなら名誉回復した方がいいのではないかと思います。
 このままだと事実だと多くの人は考えるでしょう。既に事務所のウィキペディアには、リンクも貼られています。不可能でしょうが自主的に弁護士会が第三者委員会でも立ち上げて事実を調べても決しておかしくはない話です。メディア環境が変わって来た中で、どう動いていくのか興味深いです。現代版の風評対応です。
 産業医受診の勧誘は会見でも出たようですし、本人のブログにもあります。方法はリストラでの裏マニュアルの一つと言われたものだと思いますので、問題は弁護士がリードしたかどうかでしょう。まさかと思いたいですが、一概に言えないところもあります。当時社内の管理職研修会の講師をされたいう記載もありますから、さらに“内部告発”があるかもしれません。
 市民目線では事実をはっきりしてほしいものです。

投稿: ishida | 2011年9月22日 (木) 19時13分

敢えてひとつだけお伺いしたい点があります。
(この件とは全く無関係で)普通の弁護士の方々は、ご自身に懲戒請求されることに対してどのような感触をお持ちなのでしょうか。
通常の活動でも日常茶飯事的に遭遇するので大したことはないとお思いなのか、それとも“ちょっとは厄介だな”とお感じになるのか。
蛇足かつ仮の話として、若干後ろめたいことがあった際のそれについてもお聞かせ願えないでしょうか。

投稿: 博多ぽんこつラーメン | 2011年9月23日 (金) 02時01分

としあき先生、全然いじめてませんよ。むしろ、先生のように真面目にやっている弁護士さんを心配して言っています。一部の方がモラルに反する行動をすることで、真面目にやっている大多数の弁護士が風評被害にあうわけですよね。それを避けるためにも、ガイドラインのようなものが必要と考えています。
懲戒請求は、身内が判断するため、使い込みのようなわかりやすい事例を除いては、まったく機能していないのが現状です。懲戒請求されたらめんどくさいだけですよね。

投稿: 山口三尊 | 2011年9月29日 (木) 10時51分

件の事件、さらに続報が出ています。
http://www.cyzo.com/2011/10/post_8687.html

部外者である私には、これが事実なのか出鱈目なのか安易な判断はしたくない。しかし、内容の真偽と別に、これほどのことを書かれて、あの弁護士も事務所も名誉毀損訴訟などの対抗策を全くとろうとしないことに、私は極めて大きな不審感を感じます。

もしあの記事が出鱈目なら、とんでもない名誉毀損でしょう。企業法務の総合事務所だなどと威張っていながら、どうしてされるがままにしているのか。もし、顧問契約しているどこかの企業が反社会勢力に狙われて攻撃されたら、こんなふうにされるがままにさせる気でしょうか。それほど無能な役立たずの集まりが、どうして日本の法曹界でべら棒な売り上げを集めて威張っていられるのか。300人もの弁護士それも異様に煌びやかな学歴の連中を集めて、「ミンボーの女」ひとりにも及ばないのはどういうわけでしょうか。

投稿: 伊丹サーティーン | 2011年10月 7日 (金) 16時23分

三尊さん、伊丹さん、コメントありがとうございました。
伊丹さんのコメントにつきましては若干編集させたいただきましたので、ご了解ください。

諸事情あるようですね。何名かの方から「このニュースにコメントしてください」とのご要望がありましたが、ちょっと伊丹さんのおっしゃるように真相がどこにあるのか、ちょっとまだ不明なところがありますので、軽々には論じ得ないところです(コメントがむずかしいなあ・・)。

投稿: toshi | 2011年10月 9日 (日) 11時49分

「話半分」だとしても、おそろしい…

この記事の信憑性ですが、原告側が100%捏造できるとは思えません(もしもそうなら、すぐさま小説家デビューできます、間違いなく)。多少の「誤解」はあったのかもしれませんが、司法の中立性、そして司法の正義というのものを十分に疑わせるだけのことがあったということだと、「私は」思います。

ま、民事裁判なんて、所詮こんなものなんでしょうがね。

投稿: 機野 | 2011年10月 9日 (日) 23時28分

裁判との関係はわかりませんが、社長が解任されてしまいましたね。

真相はわかりませんが、陰湿な人事を行う会社に外国人経営という期待があったのに、これもきな臭そうな印象。日本版ヒューレットパッカードでしょうか。

投稿: katsu | 2011年10月14日 (金) 11時47分

やっと、最高裁の判決が出ましたね。
浜田さんが満足行く対応を、どのようにするか注目です。それにしても、ウッドフォード氏に対する12億円の支払いに比べ、220万は5年の歳月を考えると低過ぎると思います。
両事件について、善意で間違いをしたのではなく、悪意で管理者や経営者である個人が間違いをしたのであるから、会社(即ち、株主)に弁済させるのではなく、その個人に弁済させることは出来ないのでしょうか。また、その個人に、浜田さんの5年をどのように償わせるのか知りたいです。

投稿: yoshi | 2012年6月30日 (土) 23時30分

おひさしぶりです。コメントありがとうございます。
最高裁決定の内容が浜田さんのブログにアップされていますね。上告不受理ということであっさりと決着がついているようです。

個人に弁済させる、というのは難しいかもしれません。しかし、浜田さんもブログで述べておられるように、この教訓を残すためにも、けっして本件の問題点を風化させていはいけないと感じています。私自身も内部通報の窓口を担当する者として、自戒しなければならないところかと。

投稿: toshi | 2012年7月 2日 (月) 02時07分

コメントを書く