日債銀粉飾決算事件差戻高裁判決を全文掲載(法と経済のジャーナル)
朝日「法と経済のジャーナル」が15日、日債銀粉飾決算事件の差戻控訴審判決(8月30日付)を全文を掲載しておられます(約4万字のテキスト形式)。要旨は判決直後からアップされておられましたが、全文を掲載していただけるとは、ホントに(法律家にとっては)お安い購読料です(^^;。どれだけの方が閲覧されるかわかりませんが、そのマニアックな姿勢に本当に感謝いたします<m(__)m>。
本判決は刑事裁判ですが、記事にもあるように、日債銀事件は民事訴訟で流れが変わったと思います。長銀事件判決も含め、「公正なる会計慣行」について、これまでで一番明確に司法の考えを示したのが(民事訴訟である)日債銀損害賠償事件高裁判決(大阪高判平成15年5月25日判例時報1863号)ではないでしょうか。この判例が明確に「公正なる会計慣行は複数ありうる」と示したことから、ずいぶんと議論が進展しました。
さて、朝日WEBに掲載されている判決文、マスキング処理がほとんどなされず、原文のまま掲載しておられるようですので、読みやすそうです。今夜は早速、家に帰って判決全文をじっくり読ませていただきたいと思いますので、ブログの更新はお休みします。。。
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コメント
元日債銀の経営者に旧大蔵官僚がいたので、まさか、三権分立とはいえ、とは思いたいのですが…。天下り経営者は地銀等には多く(かつ危ない地銀ほどその危なさに付け込んで、公的資金とセットで天下る)、本件の判例が免罪符にならないように祈っております。
ホリエモンとの違いはなんでしょうか?かれは株主を欺いた。本件は結果的に税金投入となって。国民全体を欺いた。裁判官もサラリーマンですし、なんか公平性に疑問を持つことが多くなりました。
投稿: katsu | 2011年9月16日 (金) 08時32分
有識者の間でホリエモン事件との違いは何か? といった疑問をもっておられる方は今でも結構多いでよね 日債銀事件に関するエントリーは、これからも書き続けたいと考えていますので、その辺りにも触れてみたいと思っています
投稿: Toshi | 2011年9月19日 (月) 01時41分
山一証券の社内調査委員会の委員で、長銀事件の弁護人を務められた国広弁護士がお書きになった『修羅場の経営責任』(文春新書)が出てますね。当事者ならではの内容もあり、興味深いものでした。
投稿: 迷える会計士 | 2011年9月25日 (日) 18時57分
コメントありがとうございます。実は国広先生から、当該新刊書をいただいておりまして、現在拝読中です。また、きちんと読み終えましたら御紹介したいと思っております。
投稿: toshi | 2011年9月25日 (日) 22時42分