「福岡魚市場株主代表訴訟の判例解説」等、二つの拙稿のご紹介
第一法規さんの「会社法務A2Z」10月号(9月25日発売)に、「判例解説 福岡魚市場株主代表訴訟の概要(ポイント)と実務への影響」なる論稿を掲載していただきました(循環取引の解説など、図表をふんだんに活用しております)。私が今年一番注目しておりました地裁判決でありますが、親会社取締役による子会社の不正調査の限界、事実調査の不備が親会社の経営判断に及ぼす影響(経営判断原則の捉え方)、監査見逃し責任を認めるにあたり裁判官は何を「異常な兆候」とみなしたのか?といった興味ある論点が登場します。
なお、本裁判につきましては、高裁判決がもうすぐ出るようにもうかがっております。また、これはブロガーの役得かもしれませんが、本事件については関係者の方からいろいろと裏事情などもご教示いただき親子会社法制におけるガバナンスのむずかしさなども勉強させていただきました(ただし裏事情については一切、本稿では触れておりません)。ご興味のある方はどうか書店にてお買い求めいただければ幸いです。
また、月刊監査役の最新号(10月号)に「災害時における企業の危機管理と監査役の役割(下)」を掲載いただきました。これは最寄りの書店で・・・というわけにはいきませんが、今後各会社で整備・運用されるであろうBCM(ビジネス・コンティニュイティ・マネジメント)の在り方を意識しながら、監査役がどのような視点で経営判断であるBCMに関与していくべきか・・・というあたりを意識したものとなっております。内部統制報告制度(J-SOX)、ITガバナンス、反社会的勢力対応などと並び、BCMもいわば直接的には会社法の外の世界のことかもしれませんが、いずれもコンプライアンス・リスクと重大なかかわりがある以上、監査役もビジネス情報へ積極的にアクセスする必要があります。私見が多く含まれるものであり、異論反論もあろうかと思いますが議論の「たたかれ台」になればいいかなあと(こちらも、どうかよろしくお願いいたします<m(__)m>)。
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