主任航空管制官の守秘義務違反疑惑事件(何があったの?)
米国大統領機の飛行計画だけでなく、米国空軍「グローバルホーク」の飛行計画までブログに公開してしまった(疑いのある)羽田空港の50代の航空管制官の事件は本当に驚いてしまいました。最初はたまたま管制塔の中をデジカメで撮影したところ「写っちゃった」のかと思いましたが、時事通信社のニュースで「ブログで公開された画像」を知り、これはハッキリと何らかの意図があって重要な機密情報を公開したものであることを認識しました。
ほとんど転勤することもなく、30年間羽田で勤務しておられたとのこと、職場の同僚も「交通量が多い羽田において、彼のスキルは高かった」と述べておられるようで、仕事の面でとくに問題があったようにも思えません。明らかに守秘義務違反を承知の上で、ブログを通じて何らかのメッセージを送ったというのであれば(個人としての覚悟のうえでのことでしょうから)わかりますが、もし「こんなに大きな問題になるとは思わなかった」的な行動だったとすれば、「情報漏えい問題」として、どこの組織でも起こりうる問題と捉えられますので、おそろしい話であります。それも50代・・・ということは、本当に重要な機密情報にアクセスできる人たちなので、なおさらであります。
私自身も守秘義務を抱えながらブログを書く者として、この事件は見過ごすことのできないものでして、「読み手」を意識するにつれ、次第に「もっとおもしろいものを公開したい」「もっと刺激的なほうがウケるかもしれない」という欲望との葛藤の中でエントリーボタンを押すわけで、この50代の管制官もそういった欲望に歯止めがかからなくなってしまったのでしょうか。フェイスブックでも、自分が思ったほど「いいね!」が付かないと、なんだか疎外感ばかりが高まり、尾ひれ背びれを付けておもしろい話を作り上げてしまう・・・ということもよく聞くところですが、そういった延長線上の事件だったのでしょうかね?ただ、画像をみるかぎり、一般の人が「これは機密情報だ」とはわからないものですから、私が考えていることは、なんか後付けの「ありきたり」な理由のようにも思いますし、もっと深いところの理由があったのかもしれず、今後報じられるところを待ちたいと思います。
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コメント
おそらく、単にリテラシーが低かっただけではないでしょうか。あとは周囲の無関心ですね。
これは各社で教育しないと根付きません。何がセーフで何がアウトかは会社によって違います。当社の基準でいけば、許可なく社内の情報機器等(モニタ等の全景だけでも)を撮ってブログに載せただけでもアウトです。管制室であれば、私物のカメラや情報機器の持ち込み自体を禁止してもよいくらいだと思いますが、実際どうだったのでしょうか。
エアフォースワンの飛行経路の掲載は論外として、室内を撮影してアップしているあたり、自分の部屋と勘違いしているようで、もともと一線を越えている気がしますね。
会社の情報セキュリティ教育やルールの作成・運用がどうだったのかとても興味があります。
投稿: JFK | 2011年9月11日 (日) 00時31分
夕方の読売新聞ニュースを読みますと、管制室内での写真撮影事態が社内ルールで禁止されていたことが報じられていますね。ただ、異例の人事と情報漏えいが(国交省が説明するように)ダイレクトに結びつくようには思えないのです。これではまさにどこの会社でも起こりうる事件ではないかと思いますね。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110910-OYT1T00492.htm?from=main5
投稿: toshi | 2011年9月11日 (日) 01時13分
「いい歳をして」というのが、記事を見て真っ先に頭に浮かんだことです。
内容自体は珍しいことじゃない。
ホテルの従業員がツイッターで「アイドルグループの○×君がきた」「シーツの匂い嗅いじゃった」やアディダスの店員が客を馬鹿にした書き込みをして大問題になったのと同レベルの話です。
違うのは、問題のレベルが国家機密に該当すること、管制塔見学会等で、この手の書き込みが問題になっていたのにもかかわらず、やっちまったということです。
本来なら、制止すべき、また教育すべき立場であるはずの主任管制官が、情報漏洩の元になっていたのは驚きです。
国家公務員守秘義務違反で刑事罰に問うべきです。
実名公表は絶対条件です。
投稿: kawakawakawa13 | 2011年9月11日 (日) 09時12分