オリンパス事件も社員の内部告発が発端だった
今朝(11月25日)の朝日新聞朝刊に掲載されていたウッドフォード氏による会見記事を読み、はじめて「オリンパス事件も勇気ある社員の内部告発が発端だった」ことを知りました(正確には雑誌FACTA誌の情報源となった社員・・・とあります)。一昨日のエントリーにも書きましたが、経営者関与の不正が経営者のみで完結することはなく、そこには必ず苦悩する一般社員の姿があります。会員制経済誌に情報を提供したのがオリンパスの一般社員であり、ウッドフォード氏はこの社員を最も尊敬に値する、と述べたそうであります。
結局のところ、大王製紙事件と同様、オリンパス事件も社員による内部通報・内部告発が発端ということになりますが、そう考えますと、今年8月に高裁逆転判決が出た「オリンパス配転命令無効確認事件」が、なんらかの影響を与えたことも否定できないような気がしてきました。内部告発は「いきなり外へ」向かうことことは少ないので、ひょっとしたらオリンパス社内でも特定されている可能性もあるかとは思いますが。そのあたりが心配です。
企業パフォーマンス向上のためのガバナンス改革、ということで会社法が改正されるのであればそれは結構なことでありますが、企業不祥事の予防・早期発見ということを目的として改正されるのであれば、私はガバナンス改革と同時に、内部統制の仕組みも構築しなければ目的を達成できない、と認識するところであります。
| 固定リンク
コメント
世間の目が、オリンパスと大王製紙に集中していますが、規模こそ違え同様の事案、京王ズ(東証マザーズ)について17日に第三者調査委員会の報告書がでていますね。長年にわたる粉飾と代表取締役に対する資金の流出ですという事案です。
投稿: 迷える会計士 | 2011年11月25日 (金) 13時02分
いつも至らぬところをご指摘いただき、誠にご教示ありがとうございます
たしかこの会社は「監査役会が機能していないために重大な欠陥がある」といった内部統制報告書を提出した会社として記憶しています。興味ある第三者委員会報告書のようですので、きっちりと読ませていただきます。
投稿: toshi | 2011年11月25日 (金) 17時14分
ウッドフォード氏はオリンパスグループの一子会社から本体CEOまで実力で少しずつ階段を上ってきたプロパーなんですね。ニュースから受ける黒船のような印象とは異なり、ウッドフォード氏自身も内部者として声を上げた一人です。ウッドフォード氏の件がなくても、若手が経営に参画する頃には、遅かれ早かれ事が明るみに出ていたことでしょう。オリンパスは、新しい時代に乗り遅れた1社だったにすぎないということでしょう。同様の問題(過去の爆弾)を抱えている会社は、今どうすべきか、考えどころですね。
投稿: JFK | 2011年11月25日 (金) 23時44分
オリンパス「内視鏡神話」に揺らぎ、医師から不祥事に反発の声
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24352520111125
オリンパスは見方を変えると、確かに国民の保険料を横領した、と言えるかもしれないですね。倫理観にも欠けていた。
投稿: katsu | 2011年11月26日 (土) 03時35分