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2011年12月28日 (水)

「コンプライアンス改革」の課題と処方箋(NBL2012年新年号)

すでにお手元に届いている方も多いかと思いますが、NBL(商事法務)2012年新年号におきまして、新春座談会「『コンプライアンス改革』の課題と処方箋」の司会を務めさせていただきました。討論者である国廣正、山田秀雄、増田英次の各弁護士の積極的なご発言に助けられました。すでにコンプライアンス経営の重要性は認識されているはずなのに、どうして企業不祥事は頻発するのか、これまでの問題点をもとに今後どう対応していけばよいのか、建設的な意見を盛り込んだ座談会記事に仕上がっております。

山田弁護士の長年にわたる貴重な社外取締役としてのご経験、増田弁護士の「コーチング理論」による企業マインドの変え方、そして国廣弁護士が解説されるコンプライアンスと会社法、ソフトロー規範との関係など、私自身も話をうかがいながらたいへん勉強になりまして、すでに本業のなかでも取り入れさせていただいております。どうかご一読いただければ幸いです。

なお、本誌は「新年号」ということもあり、内田貴(法務省参与)論文「佳境に入った債権法改正」、伊藤眞(早大教授)論文「会社分割と倒産法理との交錯」、濱田邦夫(元最高裁判事)巻頭言「わが国の法の支配」などとても豪華です。とりわけ淡路剛久(早大教授)による「福島第一原子力発電所事故の法的責任について」は今後の賠償実務にも影響を及ぼすものとして、非常に参考になります(NBL2011年7月1日号の拙著論文「原発事故にみる東電の安全体制整備義務-有事の情報開示から考える」も引用いただき、ありがとうございます)。私などご紹介できる立場にもありませんが、2012年の企業法務の行方を占う各論点に参考となるものばかりです。

会社法務A2Z(第一法規)では、私のセミナー講演録が連載されているところですし、リスクマネジメント・トゥデイ(リスクマネジメント協会)にも掲載いただきまして、ずいぶんとブログ以外のところでお目にかかることが多くなりました。またお目に触れましたら、ご感想などをメールでお寄せいただけますと幸いです。

12月 28, 2011 本のご紹介 |

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コメント

初めてのコメントです。いつも立派なご高説、随分勉強させていただいております。大王製紙、オリンパス等々議論百出ですが、10年に亘る不正、その間に当然国税調査もあったことでしょう、こちらからの異見は無かったのでしょうか?私としては、これらの点が出てこないのが不思議です。

投稿: 元老監査法人代表社員 | 2011年12月28日 (水) 17時25分

前出のコメントの続き・・・要するに国税当局も両社に誤魔化された。と考えてもよいのですね。。

投稿: 元老監査法人代表社員 | 2011年12月28日 (水) 19時44分

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
最近の不正事件の発覚は内部通報、内部告発と並んで国税調査が発端となるケースも結構ありますね。ビックカメラの不正会計事件もそうですが、今年もNEXCO中日本の不正事件が国税の調査が発端でした。たしかにご疑問のとおり、今回の件では、第三者委員会報告書を読んでも、そのような調査がらみの事実は出てきていないようです。私もよくわからないのですが、関係者が海外・・・ということとも関係するのでしょうかね?
せめて「関心をもっていた」のではないか、と素直には思うのですが。そのあたり詳しい方がいらっしゃいましたら、またお教えください。

投稿: toshi | 2011年12月29日 (木) 16時10分

期末監査の一環で税務申告書のチェックが入ります。
当社では最近は監査法人が系列税理士法人に委託して案外細かくチェックしています。
O社はK前社長がバブル後の役員就任、不良資産を貯め込んだのは2代前のS社長時代辺りでしょう。
ある意味業績が親会社の匙加減次第であるため、時価(市場性)のない子会社株式の評価損を清算以外で税務上の損金に算入する事は難易度が高いと考えております。
それに比べて時価のある有価証券は評価損が一定限度を超えれば(現在は50%以上の下落)税務上も損金算入が可能です。
本件の場合は、どうやったのかは不明ながら評価損の出た(=時価のある)有価証券を簿価のまま、まず社外に出して(=第三者に買わせた、もちろん将来に損失分を補填する約束をしてでしょう)評価損の表面化を回避。
そのままでは、誰かに(これが最大の謎)に大金を借りたままとなってしまう為それを解消するために会社買収の際に過大評価を行って出資という形でケイマン経由で送金返済をし、その後に子会社への出資を評価減したのかなと。
法人税の申告書は公開されないため実際の所はわかりませんが、決算で損失を隠したことにより、本来より百億円単位で法人税等を多く支払っている可能性があり。
また、逆に過大評価子会社の評価減をまともに損金処理していたりすると、今度は修正でそれを自己否認して高額の追加納付の可能性があるかも知れませんね(余りに古い確定損失は相殺対象と認められないかと)。
つまり、損失を飛ばした時点では決算上損が出ていない=脱税のしようもないため、国税局の調査担当者は何もしないでしょう。
海外送金は厳しくチェック入りますが出資であればスルー。直近ではいつ税務調査が入ったんでしょうね。
どのような形であれ、税務上会社に大損害を与えたのではないかと想像しています。
(これが株主代表訴訟ネタになるのかは専門外なのでパス)
後は本当にO社全ての飛ばしが先の決算修正で取り込まれたのかとか、他に同じような事をしている会社はないのでしょうかとも。
D社は、貸倒引当金を無税でとってればその範囲でのお話ですが実際貸倒れしそうなので税務で問題にはならないかなと。
以上、長文失礼たしました(適宜編集して頂いた方がよいかも)。

投稿: 一税務担当者 | 2012年1月 1日 (日) 01時39分

O社の場合、損失を飛ばすと言うことは真に贅沢な話で、普通は会社が利益が出ず、無い利益にあらゆる手段で増やし,払わなくてもよい税金を払うと言うことで、それが続くはずが無く、やがて倒産と言うケースが殆どです。丁度50年前、私が公認会計士を開業した時も、今のような大型ではありませんが5、6億程度の倒産が頻発し、その整理清算の仕事で開業当初の無報酬に大いに有難いボーナスになり、又大阪にたくさんの弁護士さん(今は大物の弁護士)とお知り合いになりました。

O社の場合、税務申告書の税務調整精査すれば、発見できたのではないかとおもいます。どんな税務申告したのか見たいものです。

私、会計士受験の際、会計士の精神的独立性、経済的独立性を叩き込まれ、それだけで会計士生涯を無事おわりました。

投稿: 元老監査法人代表社員 | 2012年1月 1日 (日) 19時42分

一税務担当者さん-貴殿の長編のコメント編集の必要ありません。よく論旨はっきりして、わかりやすいです。

長い間会計士時代にO社のような経営陣の腐りきった会社に出会わなかったことに、ほとんどの会計士も同じでしょうが、私は幸運だと思っております。

最近、コンプライアンス等々いろいろな所で聞きますが、社長、財務担当役員、経理部長等と監査契約前に会って、話しすれば、ある程度、付合うべきか?断るべきか。判断出来るものだと考えます。易者ではありませんが。(笑)

投稿: 元老監査法人代表社員 | 2012年1月 6日 (金) 14時29分

某上場会社の主要子会社で会社法関係を担当している実務屋です。
よく拝見して参考にさせていただいております。
一度コメントさせていただいたことがあったはずです。

さて、会社法改正の中間試案が12月に出ました。
特に、社外取締役義務付けに関し、世間では
・「執行と監督の分離」をベースに
・監査役制度を評価することなく
議論されていることが多いことを歯がゆく感じております。

意見の素案を添付URL(http://kaishahou.hariko.com/pub-comment.html)に掲載しましたので、ご高覧いただけると幸甚です。

投稿: S.N. | 2012年1月 9日 (月) 23時39分

代表社員さん、一税務担当者さん、コメントありがとうございました。こういった視点もあるのか、と勉強になりましたし、自身の考えの及ばなかった点、フォローいただき感謝しております。どこかほかでこういった問題点が議論されているのかと探してみましたが、いまのところネット上では気がつかれている方もおられないようですね。

またSNさん、ご紹介ありがとうございます。といいますか、このWEBページ、かなり時間をかけて作られたものですね。「たたき台」といいますか、いろんな方が参照するにはもってこいかと。当ブログでの私見と異なるご意見も多いようですので、是非参考にさせていただきます。

投稿: toshi | 2012年1月12日 (木) 01時36分

早速ご高覧いただきありがとうございます。
先生のブログは、具体的事件に即して、潜在顕在の問題点を指摘してくださいますので、本当に役立たせていただいております。

会社法中間試案については、個人という立場から自由に異端のたたき台を提供したいと考えておりますので、叩いていただきたけると幸甚です。

投稿: S.N. | 2012年1月14日 (土) 23時27分

S.N. さんのWebサイトを私も拝読しました。多角的に深く考えられていて、理論的にも実務的にもとても勉強になりました。とりわけ、執行と監督の分離、多重代表訴訟に関しては、S.N. さんとまったく同意見です。

投稿: JFK | 2012年1月15日 (日) 01時12分

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