経営執行部の理解をより深めるためのコンプライアンス(お知らせ)
いつも当ブログをご覧いただき、どうもありがとうございます<m(__)m>。ただいま日本監査役協会の全国会議の真っ只中なので、どれほど監査役の皆様にご覧いただいているかはわかりませんが、今年も恒例の日本監査役協会研修会で講演をさせていただきます。秋季は西日本中心でして、そして来年の春季は恒例の全国ツアーとなります。どうか多数の皆様にご参加いただければと。なお、私の講演会は、日本監査役協会の会員以外の皆様にも参加いただけます(会員の方よりも少し参加費用はお高めですが)。
さていよいよ秋の新作が完成いたしました。エントリータイトルのとおり「経営執行部の理解をより深めるためのコンプライアンス」というものがテーマです。コンプライアンス経営の重要性を経営執行部に理解していただき、できるだけ監査役監査が効果的かつ効率的に進むための環境整備についてお話する予定です。私の講演よりも少し後に、神戸の上谷弁護士が「企業不祥事防止に向けた内部統制構築のポイント」について解説をされますが、ほとんど内容的に重複するところはないものと思います。
今年は多くの会社の役員セミナーにお招きいただきましたが、その際に代表取締役の方と30分~1時間ほど、個別にお話をさせていただく機会をいただきました。「なぜコンプライアンス経営に関心がないのか?」「なぜ担当取締役にまかせっきりにしてしまうのか?」「なぜリスク管理に熱心になれないのか?」等、たいへん失礼な質問をいろいろとさせていただきましたが、そこからコンプライアンス経営に対する経営執行部のホンネのようなものをいろいろと気づかせていただき、私自身たいへん勉強になりました。
「先生、そんなことみんなが前向きになっているときに(リスク管理など)縁起でもない!」「ちゃんと考えてますよ。でも最後は法律じゃないでしょ。ここ(ハート)でしょ、ここ!」「なんでも報告せえ!って、いつも言うてますよ。そやけど、どうせワシとこまで情報がそのまま上がってくることなんかおまへんでしょ。誰かがウソ言いよる。そやからワシの気持ちを一番わかっているもんに任せたらええんですわ」などなど。
でも、「善管注意義務違反」「経営判断原則の限界」などといった法律の世界ではピクリとも動かなかった経営者の方々のお耳がピクピクっと動くような関心事もございました。「なるほど、経営者の方々は、こういった形で説明をすればコンプライアンスに関心をもってもらえるのか・・・・」と。そのあたりを切り口にして、監査役と経営者との信頼関係はどのように構築すればよいのか、コミュニケーションはどのように図ればよいのか、中小規模会社、大規模会社、グループ経営親会社等、それぞれの規模を考えながら、ベストプラクティスを提言してみたいと考えております。オリンパス、大王製紙事件以降の新しい事例(自浄能力が発揮された好例および発揮することに失敗した例など)を適宜交えながら、コンプライアンス経営推進のために監査役が平時に実行すべきことを、私のオリジナルな意見として申し上げたいと思います。
企業の社会的信用を左右するコンプライアンスとは「社会からの要請に応えること」だからこそ、法でわりきれない難問が待ち構えています。法令を守っていても、企業不祥事で辞任に追い込まれる社長、会長が出現する時代、ぜひ非業務執行役員が心得ておくべき視点を皆様と一緒に考えてみたいと思います。福岡は10月23日、大阪は同26日、名古屋は11月9日開催(いずれも午後1時より4時半まで)となっております。詳しくは日本監査役協会のHPからご確認ください。なお、春季の講演会では、監査役の有事対応を事例形式で検討する、というものです。有事となったからといって、すぐに対応ができるものではなく、平時の信頼関係の構築があってこそ、ということなので、今回の平時対応についてもご聴講いただければ幸いです。
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