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2013年1月 9日 (水)

日本版SOX法から日本版JOBS法へ-内部統制の行方

安倍政権の下、緊急経済対策によって規制緩和が進むようでありますが、新興企業のIPOにも規制緩和の波が押し寄せてくるようです(産経新聞ニュースはこちら)。新興企業の資金調達を支援する一環として、内部統制報告制度(日本版SOX法)のさらなる簡略化が進むように報じられていますが、IPO時には、たしか3年ほど制度の適用が免除される、という話で進んでいたのではなかったのでしょうか?(ちがいましたっけ?)提出を要する財務諸表も2年分程度でよい、ということになりますと、政策としてはずいぶんと画期的なものになるかもしれません。

ところで、今朝の日経新聞で、トヨタ社の米国リコール訴訟の記事に関連して報じられていました。グローバル企業の海外訴訟防衛のために、上場会社の重大な虚偽記載に関する民事責任について、無過失責任から過失責任に改正(金商法を改正)する、ということが検討されているようです。そうなりますと、たしかに企業が金商法上の開示責任が追及されにくくなることは間違いないと思われます。しかし一方において、どこの会社も「法人の過失責任が認められる体制だけはなんとか避けたい」と考えるようになるのではないかと。そうなると、財務報告の信頼性を確保するための内部統制がキモになってくるでしょうから、内部統制報告書の内容は簡略化(省略化?)されることになったとしても、会社法上の内部統制システムの構築のレベルは、事実上厳格になっていく、ということにならないのでしょうか?

但し、実際に訴訟を起こされるかどうかは、やはり企業の自浄能力の有無にかかっているものと確信しております。このあたりは企業活動を評価する基準となる「安心」と「安全」の区別に関する国内外の意識の違いにもよりますが。

経済再生のための施策のなかで、金商法の改正に絡む問題が、いろいろと出てくる可能性がありますので、今後は政府の対策に注目しておきたいと思っております。

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