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2013年5月 9日 (木)

活字フェチ弁護士さんから書評をいただきました。

いつも拝読しております活字フェチ先生のブログ「企業法務のツボ★活字フェチ弁護士の臨床的視点」にて、拙著「法の世界からみた『会計監査』」の書評をいただきました。正真正銘の企業法務の最前線で日夜勤しんでおられる活字フェチ先生の冷徹な中にも温かさのある(?)視点からどう映るのだろうか・・・と、ワクワクしながら読ませていただきました(かなりの長文ですね・・・)。

会計士の方々からは、読後感想文をたくさん頂戴しているのでありますが、同業者の方々からみると本書はどのように映るのか・・・。正直、不安なところがございました。ただ、企業法務に携わっておられる方々が、ご自身のご経験にフィードバックされて「いや、これは言えてる」「うーん、ちょっとここは別の考え方もあるんじゃない」といった感じで沈思黙考していただければいいなぁといった(読まれ方の)希望はありました。活字フェチ先生のご感想は、この希望にかなり近いものでした。

ホント、内部通報制度に「魔法の杖」などないんですよね。最近はとくに海外不正案件などに通報制度を活用しましょう・・・といった空気もあるのですが(いや、私自身、某雑誌にもそういった企画モノの論稿を出していますし)、実務体験を積んでいくうちに「海外不正案件の内部通報って取扱を間違えるとヤバくない?」といった理解も進んでくるわけであります(たとえば米国の司法妨害罪や弁護士秘密特権との関係など)。しかし、その実効性は高いものがあるので、トライ&エラーで進めなければならないわけですね。

会計監査を取り巻く環境も、大きく変わろうとしているにもかかわらず、関与する専門家の意識はなかなか変わらない、というのは弁護士の世界にも通じるところがあると思います。そのあたりの職業意識を変えていかないと、社外役員制度も機能しないだろうし、「法化社会」と呼ばれる社会の流れにも乗れないような気がしています。活字フェチ先生の「妄想」の部分は、なかなか弁護士が口に出してビジネスの世界で言えない(言ってはいけない?)のかもしれませんが、そこをクリアにしていかないと弁護士や会計士というものが社会インフラにはなりえないのではないかな・・・と思っております。

ネタバレにも配慮いただきまして恐縮でございます。ご関心を寄せていただいた第9章につきましては、マスコミの方々にも注目していただいておるところでして、来週発売の週刊東洋経済(会社の数字特集)でも取り上げられております(これ、言っていいのかな?まぁ、いいことにしときましょ 笑)。そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

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コメント

少しご無沙汰しております。ブログはほぼ毎日のぞかせていただいております。
先生の新著ですが、近隣の幾つかの書店で未入荷でしたが、ようやく入荷されましたので、近々拝読させていただきます。楽しみにしています。

投稿: 伊藤晋 | 2013年5月10日 (金) 13時45分

伊藤さん、どうもごぶさたしております。販路の関係で第3刷になってはじめて書店に並んだ、というところもあるそうです。ご購入ありがとうございます。またご感想などもお寄せいただければ幸いです。

投稿: toshi | 2013年5月13日 (月) 01時14分

山口先生、ご無沙汰しております。活字フェチ弁護士です。
私の書評、このような形で取り上げていただき、ありがとうございます。大変恐縮しております。
記事にも書かせていただきましたが個人的に興味のあった点をズパリと書いていただいておりますし、記事には取り上げなかった各章のテーマについても色々な示唆をいただくことができまして、有意義な時間でした。
会計士の先生方からも色々コメントがあったとのこと、それらも踏まえて、是非とも続編をお願いできればと思います。楽しみにしております。

投稿: 活字フェチ弁護士 | 2013年5月13日 (月) 20時36分

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