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2013年9月17日 (火)

ひさしぶりの「モノ言う監査役」と業務調査権限の積極的行使

9月17日夕方:追記あります。

ここのところ経営陣にモノ申す監査役さんの話題に乏しかったのですが、ひさしぶりのモノ言う監査役さんネタです。戦略PR支援企業であるJDQ上場のプラップジャパン社では、本日(9月17日)、臨時株主総会が開催される予定であり、そこでは新たに二人の取締役選任議案、および社長、専務取締役の解任議案が(それぞれ会社提案、株主提案として)上程される予定です。株主提案に関するリリースですが、7月17日付けのこちらのリリースをご覧になると、社長側、大口株主側で支配権争いが生じ、その支配権も極めて拮抗していることがわかります(だからこそ、経営の安定を図るために社長側より新たな取締役選任議案が上程されたものと思います)。※ちなみにプラップ社の社長さんて、あのNHKラジオのビジネス英会話の杉田敏さんなんですね。もうずいぶん長くやっていらっしゃいますよね。

大口株主側は、社長さんらの不適切な行動(おもに利益相反問題のようです)について問題視しており、その事実について監査役が調査すべき、と主張していました。ところが社長側は、そのような必要はないとして審議することを拒否し、結局監査役による調査権行使に関する決議は承認されませんでした。この事実経過をリリースで知った私は、そもそも監査役の業務調査権限というのは、監査役に認められた重要な権能であり、人から言われて調査をするものではなく、監査役会での審議により、自発的に調査権行使の必要性を判断すべきではないか、と思っていました。

その後、プラップジャパン社の内紛劇は法廷に持ち込まれていたようですが、9月13日、つまり臨時株主総会の直前になり、ふたたび株主側からのリリースが出たことで、同社の監査役(監査役会)の動きが新たに判明しました。実は、監査役の調査権限行使に関する取締役会での審議の終了後、直ちに(7月24日)、同社の監査役会は調査権限行使のために自ら動き出していたようです(大口株主による株主提案権行使に関するリリースはこちら)。そして、リリースによりますと、監査役会は第三者委員会(調査委員会)を設置し、現社長、専務らの不適切行為があったことを断定した内容の第三者委員会報告書の受領を取締役会に報告した、とのことです。

現社長、専務、創業家にとって厳しい内容の調査結果を報告したのは第三者委員会ですが、支配権争いという内紛状態の中で、4名の監査役からなる監査役会が自ら調査権限行使に乗り出し、その結果として現社長らに厳しい判断が下されたわけですから、とくに監査役がモノを言った事例とは言いにくいところです。しかし、たとえ監査役自身が有事に突然権限を行使したとは言えない場合でも、普段からの監査環境の整備があったからこそ、有事になるや否や独自の判断で調査委員会を設置して、独立性の確保された中で、厳しい委員会報告が出たうえで、それを現社長にはっきりと示すことができたものと考えています。議決権保有状況では、どうも創業家、現社長さん側のほうが厚みがあるように思えますが、このようなリリースが出され、どのような結果となるのか、本日の総会の結果に注目しておきたいと思います。

9月17日午後5時35分追記

臨時株主総会の決議に関するリリースが同社HP上に出ております。会社上程議案が可決されたようです。

9月 17, 2013 監査役の理想と現実 |

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