メディアが問う!わが国の会計および監査の課題(シンポ登壇のお知らせ)
週末より、たくさんのコメントをいただいているにも関わらず、お返事が遅れておりまして申し訳ございません。非常に有益なご意見ばかりで、私自身も今後の研究の参考にさせていただきたいと思います。
さて、このたび、会計及び監査に関する経済記事の執筆に関わっておられる第一線のジャーナリストの方々が、どのような視点でわが国の会計及び監査を見ているのか、実際に執筆された最近の会計・監査の事案をもとに、会計・監査の課題について議論をするという、これまであまり試みられてこなかったシンポジウムが開催されます。
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究センター主催「第8回公開シンポジウム-メディアが問う!わが国の会計および監査の課題」でして、日時は12月21日(土曜日)午後2時より、場所は青学の青山キャンパス本多記念国際会議場です。(ご案内は青学会計プロフェッション研究センターのこちらをどうぞ)。
日経、朝日、東京、年金情報等マスコミの各記者の方々に加え、金融ジャーナリストの伊藤歩氏もパネリストとして登壇されます。それぞれ粉飾決算事件やIFRS問題、AIJ投資顧問事件、監査法人の不祥事問題等の報道に関わってこられた経験をお持ちの方々が、日本の会計・監査問題をどのように語られるのか、たいへん興味深いシンポになるものと思います(いろいろと辛口の意見も飛び出すと予想しています)。会計・監査に関するシンポのコーディネーターといえば、やはりこの人(八田進二青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授)でしょうね。
実はこのシンポ、毎年シンポに先立つ「特別講演の部」がございまして、今回は私が1時間ばかり講演をさせていただくことになりました。テーマは「わが国のメディアは本当に真実を伝えているのか?」という、かなりチャレンジングな題目です。お話する内容は、①企業不祥事報道にみるメディアの力、②ブロガーからみた情報双方向時代における国民の「真実への関心」、そして③司法、会計、監査とメディアの力、といったことです。こうやって骨子だけを掲げますと、バラバラなお話のように思えますが、実はきちんとひとつの流れになっておりまして、最後には会計や監査の話題を取り扱うメディア(主にマスコミ)に対する私の提言で締めくくる・・・というものです。決して会計のご専門の方々向けにお話するのではなく、きわめて平易な言葉で一般の方々向けにお話をするつもりです。
私個人としては、いつも不正調査などで「ひとりひとりの社員の方々はこんなに誠実でまじめな方なのに、組織の構成員となってしまうと、どうしてこんな悪事を平気でやってしまうのだろう」と疑問を抱くときがあります。マスコミの記者の方々についても、おそらく魅力的な方が多いはずだし、編集権の独立という原則があるのに、どうしてマスメディアの構成員という立場になってしまうと、自分では納得できないような記事を書かざるを得ないこともあるのでは・・・といった疑問も湧いてきます(たぶん、そんな疑問にお答えしていただけるはずもありませんが・・・)。おそらく参加者それぞれ、いろんな視点で楽しめるシンポになるのでは、と今から期待をしています。
前回、前々回の特別講演者の方々とのネームバリューの差は歴然としておりますし(東証CEO、元金融庁長官等)、コテコテの関西人にとって、クリスマスの青学・・・というのは、なんともアウェーな雰囲気で、若干不安を感じておりますが、拙著「法の世界からみた会計監査」でも述べているとおり、少しでも「開かれた会計・監査の世界」の形成についてお役に立てましたら幸いです。申込締切は12月12日までとなっておりますので、ご興味がございましたら、ぜひお上記リンク先より申込みの上、クリスマス(21日)の青学キャンパスまでお越しくださいませ。
| 固定リンク
コメント