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2014年2月10日 (月)

内部告発は市民を救う?-最近の企業不祥事の発覚要因として

(2月10日午前 追記・修正あります)

先週月曜日(2月3日)、大阪科学技術センターにて、消費者庁主催シンポ「お客様と社員の声が企業を救う」にパネリストとして登壇させていただきました。その際、あらためて「内部通報制度の充実は内部告発から企業を守る」と申し上げました。もちろん、内部通報をしたことによって(事実上)社内で不利益な取り扱いをされないことが必要ですし、不正を隠すためではなく、自浄能力を発揮するためであることを明確にすることが前提です。

食材虚偽表示事件において、消費者庁から排除措置命令を受けた阪急阪神ホテルズ社から、先日第三者委員会報告書が公表されました。その報告書の中でも「この事件が内部告発によって明るみとなったとの一部ネット上で噂になっていたので、あらためて調査したところ、内部告発によって事件が明るみになったものではなく、社内調査によるものであることを確認した」とありました。内部告発によって不祥事が明るみになったということになりますと、やはり自浄能力が発揮されなかったことを世間にさらしてしまうことになりかねません。企業のリスク管理という意味において、まさにお客様と社員の声が企業を救う時代だと思います。

ところで、最近報じられている不祥事の発覚については、はたして内部通報や独自の社内調査によるものなのか、それとも内部告発(第三者に対する情報提供)によるものなのか、よくわからないものがあります。ひょっとすると社員が通報したにもかかわらず、企業がこれを無視していたので、やむなく外部に告発した・・・という事例もあるかもしれません。たとえば東京海上日動さんの12万件にも及ぶ保険金不払いの件ですが、この件はどうなんでしょうか。金融庁からの調査指示があったとのことですが、こういったケースでは内部告発が行政当局に集まる例が多いと思います。金融庁から指示があった時期よりも、以前に東京海上日動さんのほうに通報があったのか、なかったのか、内部告発や内部通報があたりまえとなった時代ですので、そのあたりはたいへん知りたいところです。

また三菱地所さんが販売していた青山の分譲マンション契約解除の件ですが、これも2ちゃんねるマンションの契約者や所有者を中心とした書き込みのあるコミュニティサイト(「マンションコミュニティ」)の元ネタと最近の新聞報道とを比較してみると、かなり元ネタの信ぴょう性が高いように思えました。2ちゃんねるにどなたかが告発していることよりも、このような掲示板の書き込みを分譲マンション購入者が見つける時代になったことに驚きを感じます。いくら内部告発があったとしても、マスコミや利害関係者の目に留まらなければ社会的な反響にはならないわけですから、やはり内部告発のおそろしさを認識した事例かと思います(しかし、この掲示板の書き込みが見つけられなかったとしたら、契約者の方々は、そのままマンションは引き渡されたのでしょうね)。

追記 コメント欄のとおり、一部誤りについてご指摘を受けましたので、修正させていただきました。私が2ちゃんねるで閲覧したものは、二次情報だったようです。訂正してお詫び申し上げます<m(__)m>。

以前このブログでも「『裏』内部通報窓口」の存在を書いたことがありますが、企業の方々が内部通報つぶしに躍起になっているうちに、通報者が裏の通報窓口に告発してしまい、目も当てられない状況になってしまうことも考えられます。社員の通報に対しては真摯に対応され、不正は早期に発見、処理されることがリスク管理としても大切だと思います。企業は有事になったときに、なかなか有事であることを認めたがらない(そのことが二次不祥事を招くわけですが)・・・ということを肝に銘じておくべきです。

2月 10, 2014 内部通報制度 |

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コメント

三菱地所の件、2chではなく、マンションの契約者や所有者を中心とした書き込みのあるコミュニティサイト(「マンションコミュニティ」)なので、特に新規購入者は比較的みているサイトだと思います。

サイト自体はマンション業者の広告で成り立っていることからか、当初の告発とされる設備業者を名乗る書き込みは、証拠も無いためか早々と削除されてしまいましたが。

投稿: マンション | 2014年2月10日 (月) 10時42分

ご指摘ありがとうございました。さっそく、本文を修正させていただきました。なるほど、そうであれば目に留まるのもナットクですね。しかし早々に削除されたにもかかわらず、元ネタがすぐに二次情報としてアップされるというのも、なんとも(ただ、それが正確な二次情報かどうかは、これまた疑わしいところもありますが)。

投稿: toshi | 2014年2月10日 (月) 11時19分

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