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2014年4月15日 (火)

JICPA「不正実態調査アンケート」結果の読み方

ちょうど1年前、市ヶ谷の日本公認会計士協会本部の地下ホールにて、弁護士代表のパネリストとして登壇させていただき、「第三者委員会制度問題」では弁明側に立ち、完全アウェーの気分を味わいましたが(笑)、また久しぶりに、協会に怒られそうなエントリーをひとつ(^^;

本日(4月14日)、日本公認会計士協会HPに、「監査業務と不正等に関する実態調査の集計結果について」と題するアンケート集計結果の概要(公表版)がリリースされています(引用は差し控えます)。A4で2枚程度の結果公表文ですが、回答者の半数が過去10年以内に不正と遭遇したことがあるそうです。内訳は粉飾が資産流用よりも多いそうですが、ここ3年ほどは資産流用事例が逆転しているとのこと。経営トップの関与も(そのうち)4割におよび、3分の1程度が外部協力者が存在していたそうです。不正リスク対応基準は確実に監査実務に影響している(6割)とのことですが、外部協力者の関与が多いということは、まだまだ不正リスク対応基準の見直しにもつながりそうな課題です。

この集計結果をみるかぎり、「おお!けっこう会計士の方々は不正を発見しているではないか!また、毅然たる態度によって会社に決算の修正をさせているではないか!」と読めます(不正を発見した場合の顛末に満足している、と回答されている会計士の方が63%も!これはスゴイ!)。

JICPAさんでは、この不正実態調査の結果について、今後の不正な財務報告への取り組みへ活用されるそうですが、ぜひぜひ回答率が7.5%だったことへの分析もよろしくお願いします( *´艸`)!公認会計士登録後10年を経過した会員に回答の依頼をされて、1000名程度の方からの回答があった、ということですが、なぜ回答率が7.5%だったのか?①コンサル業務のほうが楽しいので、過去10年までさかのぼっても監査証明業務を担当したことがない会計士が多いのか、②そもそも不正発見など、監査をするうえでなんらの興味も湧かないのか、③不正に遭遇したけれども、無視していたから回答することに気が進まなかったのか、④毅然とした態度をとったけれども、会社からの圧力に負けてしまったので、もはや忘れたいからなのか・・・。

すいません、これが回答率30%くらいなら、「ああ、忙しい人が多いから、これくらいだろうな」と思うのですが、かなり回答率が低いもので・・・・・(^^;;そういうところにどうしても関心が向いてしまうのです<m(__)m>どうか「出入り禁止」にはしないでくださいね( ゚Д゚);;

4月 15, 2014 未完成にひとしいエントリー記事 |

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コメント

公認会計士登録後10年以上経過した会員(13,506名:全会員数の51.5%)を対象に、E-mailでアンケートを行う旨を連絡し、公式サイトの会員マイページ上にて回答する

…という方法だったようですが、まず公認会計士の49.5%、つまり半数が登録10年未満なんだなあと改めて認識(笑)。それはさておき、対象者にE-mailで連絡を送りつけても気づかない、或いは読まない(無視する)ひとが多いでしょうし、ましてやマジにお忙しい会計士の先生方に時間を割いてまでアンケートに答えようというモチベーションが働くとは思えません。これはアンケートの実施方法自体や協力を仰ぐ方法に問題があったということではないでしょうか。

投稿: 機野 | 2014年4月15日 (火) 10時33分

日本公認会計士協会からくるE-mailを見ている会員は2割もいないんじゃないですか?メールアドレスを登録していてもほとんどの方は無視しています。私の周りの同業者でもこのアンケートメールを見ている人はほとんどいません。アンケートの答え方も手間のかかる方法でしたので、途中で止めたと思った方も多いでしょう。
1000人も回答があったというのは、以外に多いので、ある意味驚きです。

投稿: 会計士一人 | 2014年4月15日 (火) 13時41分

不正に遭遇したことのない会計士はあまり回答の必要性を感じないでしょうから、回答者と未回答者では不正の遭遇割合に違いがあると考えるのが自然でしょう。回答者の約半数で不正に遭遇したからといって、会計士全体でもそう考えるのは早計で、メディアなどでも「会計士の半数が不正を発見」と報じられていますが、ミスリードしている可能性があるように思われます。

経営トップ層が関与した不正が約4分の1あることから、13,506×7.5%×1/4の253件の経営者不正を会計士は認識しているわけですが、調査期間が10年ですから約半分の期間で内部統制監査が実施されていることになりますから、253件×1/2は経営者不正という統制環境に重大な問題のある事案として「内部統制は有効でない」とされていなければければおかしいことになりますが、過去の不正が発覚して内部統制は有効ではないとした事案は散見されますが、それ以外はほとんどなかったように思います。
財務諸表は適切に訂正され、財務諸表監査意見に問題がなかったとしても、内部統制監査意見に問題がなかったとは言えません。

投稿: 迷える会計士 | 2014年4月16日 (水) 21時42分

皆様、ご意見ありがとうございます。本件エントリーについてはたいへんな反響がありまして、その反響について続編を書かせていただきますので、ご期待ください。

投稿: toshi | 2014年4月27日 (日) 23時51分

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