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2014年4月24日 (木)

顧問弁護士のインサイダー取引問題についての雑感

ジャスダック上場企業の顧問弁護士の方が、公募増資について知りえた事実をもとにインサイダー取引をやってしまった、取引によって得られた利益は20数万円、SESCが39万円の課徴金処分を勧告、という報道にはホントに驚きました。

規模の大きな会社ですし、委員会設置会社ということで、ガバナンスにも力を入れている会社だと思いますので、おそらくこの方が所属しているのは、比較的大きな法律事務所ではないかと思いますが、なぜこんなことになったのか、思案してもよくわかりません。企業法務に精通しておられるわけで、金商法やSCSEの最近の活動状況にも熟知されているはずですし、「少しくらいなら」という感覚だったとも思えません(利得額は数千万円・・・というほうが、なんとなくわかりやすいですね)。

この事件、審判で争われることはないと思いますが、素朴な疑問としてふたつほど。報道されているのは「顧問弁護士」とありますが、具体的に公募増資の情報をどこから入手されたのでしょうか。SESCのリリースでは「契約の履行に際し」とありますが、これは実際に会社の相談を受けていたご本人ということなのでしょうか。それとも別に直接担当されていた顧問弁護士の方がいらっしゃって、そこから情報を入手されていたのでしょうか。あるいは(年齢からの推測ですが)経営者と元々個人的にもおつきあいが深くて、通常の業務ルートではなく、別ルートで情報を入手されていたということはないのでしょうか。「契約の履行に際し」の解釈が、どうも私にはひっかかります。

もうひとつの素朴な疑問は、会社側は顧問弁護士との契約を解除した、と報じられていますが、これは会社が法律事務所との契約を解除した、という意味なのか、それとも、法律事務所の別の弁護士に新たに顧問を依頼して、当該弁護士のみ解除したということなのでしょうか。同業者として非常にショックな事件であるがゆえに、このあたりの事情を理解しなければ、なぜこんなことが発生したのか、理解に苦しむところです(そもそも顧問先会社の株式を保有している・・・というのも、なんとなく気持ち悪いのですが・・・まさか、どなたかをかばっている・・・ということはないのでしょうかね?うーーーん、ほんとに理解困難です)。

4月 24, 2014 未完成にひとしいエントリー記事 |

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コメント

大手監査法人のインサイダー事件を契機に、株式の保有制限等のルール策定がされるなどの対応策がとられましたが、それでも某中堅監査法人の会計士が再度インサイダー事件を起こすといった失態を演じていますので、法律事務所にあっても事務所としての十分な対策が必要でしょう。

投稿: 迷える会計士 | 2014年4月27日 (日) 09時22分

傷口に塩を塗るようなことは余りやりたくないのですが、
仮に一定程度の規模を有する法律事務所の方だったと仮定して
現行法との兼ね合いで、どこまでで手打ちにするんですかね?
具体的には、法166条ですけど、その3項で
・・・会社関係者(第一項後段に規定する者を含む。以下この項において同じ。)から当該会社関係者が第一項各号に定めるところにより知つた同項に規定する業務等に関する重要事実の伝達を受けた者(同項各号に掲げる者であつて、当該各号に定めるところにより当該業務等に関する重要事実を知つたものを除く。)又は【職務上当該伝達を受けた者が所属する法人】の他の役員等であつて、その者の職務に関し当該業務等に関する重要事実を知つたものは、当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない。 ・・・
ってのがありますが、所謂、法律事務所における「パートナー制」
というものが、上記条文における「法人」の解釈で
どう扱われるのか、とても気になります。

投稿: snow_angel | 2014年4月27日 (日) 13時10分

迷える会計士さん、snowangelさん、コメントありがとうございます。私も実はsnow_angelさんと同じ疑問を持っておりました。そのあたりが知りたくて、もう少し詳細な報道はないものかと探していたのですが、なかなか法律事務所の規模まで伝える記事はありませんでした(笑)実態重視の解釈が成り立つとすれば、そのあたりも重要かと私も考えています。

投稿: toshi | 2014年5月 2日 (金) 00時30分

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