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2015年6月 1日 (月)

大東建託、コーポレートガバナンス・コードへの対応を公表

あらかじめ申し添えますが、本日のエントリーにおきまして、意見にわたる部分は私個人の見解でありまして、私が所属する法人の見解ではございませんので、よろしくお願いいたします。

さて、私が社外取締役を務めております大東建託株式会社は、本日(6月1日)、東京証券取引所にコーポレートガバナンス報告書を提出し、コーポレートガバナンス・コードへの73項目対応について公表いたします(こちらの大東建託のHPをご覧ください)。ご承知のとおり、6月1日より、全上場会社にコーポレートガバナンス・コードの適用が開始されます(東証有価証券上場規程445条の3)。大東建託は、社会的課題を解決しつつ、持続的成長による企業価値の向上を目指して、よりよいコーポレートガバナンスの構築に努力しておりますが、その取り組みを社内・社外のステークホルダーに公表いたします。

ご覧いただければおわかりのとおり、東証ルールが求めるものは「コンプライ・オア・エクスプレイン」によるコードの尊重ですが、大東建託はガバナンス・コードへの制度対応だけでなく、「執行と監督の分離による取締役会の機能強化」というモニタリングモデルをより高いレベルで実現できるよう、73項目への対応すべてを開示(公表)する「コンプライ・アンド・エクスプレイン」として、社内的にも本コードを活用できるようにしています。私自身も全役員がコーポレートガバナンスの基本方針に関する認識を共有し、うわべだけのコンプライにならないよう、この方法が適切だと考えています。

また、「株主との対話」では、スモールミーティングであれラージミーティングであれ、中期経営計画の実行(達成)可能性を判断すべき諸要素が現実的なテーマになると思いますが、ガバナンスへの取り組みも、そのような(実行可能性を高める)諸要素のひとつになるものと考えています。そこで、株主の皆様へコード全項目への取り組み内容をあらかじめ「情報開示」させていただき、その内容を株主の皆様に認識してもらい、関心のある項目について対話のテーマに選択していたくことが大切だと思います。

73項目の中には「この原則にはコンプライしません」と公表し、その理由を説明している項目もかなりあります。エクスプレインの中身としては、当社の現に実施している方策のほうが企業価値向上に資するから、と説明しているものもあれば、コンプライする方針なので、今後できるだけ速やかに対応します、とコミットしているものもあります。いずれにしましても、どこかの部署に丸投げして策定したものではなく、コードの解釈やエクスプレインの内容も含め、社長を中心に(我々社外取締役の意見も取り入れたうえで)コード対応への検討を重ねた結果です。もちろんコードの理解不足による不備もあるかもしれませんが、今後は取締役会、監査役会、株主を含めたステークホルダーの皆様の意見をもとに、よりよいものに改善していければと思います。(私は業務執行まではできませんが、今後とも、改善に向けた意見を述べていきたいと思います)。

6月 1, 2015 コーポレートガバナンス・コード |

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コメント

現在、コーポレートガバナンス報告書でコードの実施状況が開示されたのは、みずほFG、サントリー食品、大東建託など、ごく限られた企業のみですので、大東建託のCG報告書、ニュース・リリース、「CGコードに関する当社の取り組み」を興味深く拝読いたしました。非常に意外だったのは、「CGコードの各原則を実施しない理由」として、原則1-4から補充原則4-12-1までの4項目が開示されていることです。CGコードは原則主義に拠って元々定性的でメッセージ性が強く、数値の入った原則項目は原則4-8の独立社外取締役に関する「2名以上」と「3分の1以上」だけです。したがって、CGコードを実施しているか否かの議論は実務上は程度問題の世界であり、企業自らが実施していないと宣言するのは極めて稀と考えておりました。大東建託で「実施しない理由」が記載されている各項目の内容を見ても、政策保有株式の「統一の基準を設けていません」としながらも、実際の所有は住友不動産株式など限定的であり、また、「外部会計監査人候補の評価に関する明確な基準は策定していません」としながらも、「トーマツは独立性・専門性ともに問題はないものと認識しています」と記載されています。さらに、取締役会の有効性評価も「結果の概要に係る開示内容については、今後の検討課題として認識しております」としながら、「評価委員会が中心となり、(中略)取締役同士の相互評価や評価委員によるヒアリングを行い、(中略)実効性の分析や評価を行っています」と記載されています。4項目とも同様の要領で、最終の実態に問題はないという記載がされているので、正直なところ、では何を意図して実施していないと、ことさら開示したのか、実施しているの範疇に入れてもいいのではないかと違和感を感じました。むしろ、大東建託の場合に実態を問題にするならば、4名の社内取締役の報酬が1億円以上で、しかも報酬委員会が任意に設置されていないことをステークホルダーに注意喚起すべきであり、原則4-2や補充原則4-2-1に関して、算定基準や決定プロセスの透明性を上げることが今後の課題であるとして、実施しない理由を開示したほうが適切と考えます。

投稿: 森本親治 | 2015年6月19日 (金) 16時45分

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