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2015年6月29日 (月)

決議に必要な定足数に満たない定時株主総会の取扱い

ギリシャ政権とEUとの対立が深刻になり、デフォルトの可能性も高まってきましたので、このままだと日本の市場にも大きな影響が出るかもしれませんね。円高・株安の懸念が現実味を帯びてきました。

さて、今年も株主総会シーズンが終了して、ホッとされている方も多いと思います(いや、ひょっとするとガバナンス・コードの策定で忙しい方もおられるかもしれませんね)。しかし定時株主総会にアクシデントがあった会社の担当者の方はつらい日々を過ごしておられるのかもしれません。そういえば総会直前にCFOが退任される製薬会社さんもありましたが、これもアクシデントですね。

6月26日の午後6時の某社リリース「第45 期定時株主総会における定足数を必要とする議案の結果について」を読みますと、定時株主総会を予定通り開催したものの、出席株主数が議案の決議に必要な定足数を満たしていないとしてすべての議案が成立しなかったそうです。定款変更議案や役員の選任・解任に関する議案は、定款で定足数要件を排除していたとしても会社法上では一定の定足数要件が強制されます。リリースでは「あと少し足りなかった」ようですが、事前準備において見通しが甘かったのかもしれません。

同社は後日、定時株主総会の「継続会」によって議案の成立を目指すそうです。そもそも定足数を満たしていない定時株主総会が開催されたにもかかわらず、どうして総会の延期・続行に関する決議が出来たのか、審議の時点で定足数不足だった場合に議案の決議に瑕疵はないのか、といった点がやや問題になりそうです。

修正動議や総会の延期・続行に関する決議については、同社の定款で定足数要件が排除されているので、出席株主の多数決によって決議することは可能と思われます。また、本来、総会決議に定足数を要する場合には、定足数に達する株主の出席がないかぎりは議事に入るべきではないと思いますが、決議の時点で定足数に達する株主が出席しており、かつその株主が異議なく決議に参加するかぎりは、議案の審議の際に定足数を欠いていたことは決議取消の事由とはならないとする説があります(大隅・今井「会社法概説(第2版)」178頁)。

したがって、同社は継続会の冒頭で、出席株主に異議がないことを確認したうえで、すでに発送済の招集通知に掲載している総会議案への賛否を問うことになりそうです。同社の場合には、未だ議案の審議まで至らずに継続会を決定したそうですが、議事は進んでいるので(報告事項の報告は済ませているとのこと)出席株主への確認は必要ではないでしょうか(本来ならば定時株主総会を終了させて臨時株主総会を開催すべきなのでしょうね)。

6月 29, 2015 株主総会関連 |

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