« 企業価値向上を邪魔しない監査等委員会設置会社の条件-前編 | トップページ | 企業不祥事への対応は「安全思想」か「安心思想」か(改めて考える) »

2015年10月14日 (水)

お勧めの新刊書(ガバナンス・コンプライアンス関連2冊)のご紹介

4785723408ひさしぶりの新刊書のご案内でございます。本日はお勧めの2冊をご紹介いたします。まずは2年ぶりに改訂いたしました「社外取締役ガイドラインの解説(第2版)」(商事法務)をご紹介いたします。みなさまご承知のとおり、平成26年改正会社法、コーポレートガバナンス・コードの策定に伴いまして、日弁連「社外取締役ガイドライン」が今年改訂されました。今回も、改訂されたガイドラインについて、社外取締役に就任された方、また今後就任を希望している方向けにわかりやすく解説をいたしました(私もふたつの章について執筆しております)。近時のガバナンス改革対応、とりわけ(この表現も最近はやや疑問が呈されておりますが)「攻めのガバナンス」に役立つ社外取締役の姿を想定した解説なので、旧版とはかなり内容も修正されております。「肝心のガイドラインが添付されていないではないか」とお叱りを受けていましたので、第2版では参考資料として改訂ガイドラインも添付しております。

改訂の中心は、やはりなんといっても「第3 社外取締役の具体的活動の指針」でして、通読して勉強していただく、ということでも、また具体的な事象が発生した際に、ガイドラインとして参考にしていただく、という使い方でも結構かと思います。監査等委員会設置会社における取締役監査等委員の方々に向けた具体的活動指針、ガバナンス・コードへの対応指針なども参考になるものと思います。このたびのガバナンス・コード補充原則4-14①でも、社外取締役はその知見を深めるための研さんに努めるべき、とされています。まさに本書を熟読いただき、コードにコンプライしていただければ幸いでございます。どうかよろしくお願いいたします。<m(__)m>

10051246_5611f29c6367dさて、もう一冊は帯書きのとおり(ちょっと恥ずかしいのですが)、私のお勧めの一冊でございます。私の前著「国際カルテルが会社を滅ぼす」の共著者である龍義人氏と、危機管理対応で著名な西村あさひ法律事務所の平尾覚弁護士との共著「競争法グローバルコンプライアンス」(レクシスネクシス)です。米国、EUだけでなく、中国、オーストラリア、ロシア、韓国等、日本の国際カルテルリスクはますます顕在化しています。反社会的勢力リスクと同様、海外カルテルリスクは、経営者が実感しにくいものであり、顕在化して初めて「少しは対策をしておけばよかった」と反省する不祥事の代表格です。先日は東証1部上場会社の元経営者の方が禁固刑を言い渡された について司法取引を行った例もご紹介しました。

本書は、前著「国際カルテルが」の発展版としてレクシスネクシスのメールマガジンで龍氏が連載していた記事を一冊にまとめたものですが、そこにカルテル事件の最前線を知る平尾弁護士が(かなり詳細に)解説を加えておられます。法律家向けの学術書ではなく、一般の企業法務担当者や経営者向けに書かれたものでして、いま日本企業が直面している国際カルテルの概要を短時間で効率的に知るには最良の一冊です。また、単に「知る」だけでなく、平時にこそ備えるべき国際カルテル防止体制を「構築する」ためのツールとしての意義も十分に認められるものと確信いたします。ぜひとも「即戦力」として参考にしていただければ幸いです。

|

« 企業価値向上を邪魔しない監査等委員会設置会社の条件-前編 | トップページ | 企業不祥事への対応は「安全思想」か「安心思想」か(改めて考える) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: お勧めの新刊書(ガバナンス・コンプライアンス関連2冊)のご紹介:

« 企業価値向上を邪魔しない監査等委員会設置会社の条件-前編 | トップページ | 企業不祥事への対応は「安全思想」か「安心思想」か(改めて考える) »