会計監査は企業の「第2経理部」である-細野氏インタビュー
私が企業会計のおもしろさやその社会的有用性に興味を持つようになったのは、私自身が12年ほど前に社外役員に就任したこともありますが、なんといっても浜田康氏、細野祐二氏の数々の書籍に出会えたからだと言っても過言ではありません。その細野祐二氏(会計評論家、元公認会計士)が、週刊エコノミスト11月1日号における単独インタビューに答えておられ、「会計士の欺瞞を暴く」なるメインタイトルの記事に登場されています。このブログエントリーのタイトルは、インタビュー冒頭で細野氏が述べた言葉です。ご推察のとおり、会計(監査)業界の現状に対してかなり厳しいご意見を述べておられます。
細野氏は現在、会計評論家だけでなく、様々な組織の財務諸表作成に関する「お困りごと」の相談業務等を行っておられ、その仕事ぶりから「公認会計士をクビになって、ようやく本当の会計士になった」ともおっしゃっています。(その意味するところはインタビュー記事をお読みになるとわかります)。キャッツ事件では被告人となって最高裁まで争った末に有罪が確定し、法と会計の狭間の問題に苦悩された細野氏だからこそ、現在の公認会計士の閉塞感を具体的に表現することができるのでしょう。昨年、東芝会計不正事件が連日騒がれていた時期に、最初に「これはPLの問題ではなく、BS(のれんの減損)こそ問題である」と雑誌で指摘をされたのも細野氏だったと記憶しています。法律家からも、また会計専門職の方からも、いろいろなご意見はあると思いますが、私は毎度のことながら、細野氏の意見には考えさせられる点が多いですね。
しかし、細野氏の現在のお仕事ぶりを知り、なるほど、このようなフォレンジック(に近い?)お仕事もあるのだなあと感じました。ところで、もし私が弁護士という資格を失い、「法務コンサルタント」という肩書で仕事をするとなると、いったい何ができるでしょうかね?「法律事務」は、かなりの部分において弁護士や司法書士等の独占業務なので、法務支援事業というのも、弁護士法に違反しないように配慮する必要があります(法律に詳しい経営コンサルタントといったあたりでしょうかね?)。
そういえば私の存じ上げている方で、諸事情により弁護士資格を失った後、弁護士の頃よりも多額の収入を得ていることを知り愕然としたことを思い出しました。資格を持たないほうがいろんなリスクをとってチャレンジする意欲が湧くのかもしれません(たぶん私には無理な気がしますが・・・)。
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