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2016年12月20日 (火)

速報-粉飾決算会社の主幹事証券会社に賠償命令!!

粉飾決算企業の上場関与証券会社に初の賠償命令(サンケイビズニュース)。

今週月曜日の日経法務面では、企業法務に携わる法律家が今年最も注目した案件はジュピターテレコム最高裁決定と三菱燃費偽装事件とのことでした。しかし遺産分割審判に関わる最高裁大法廷決定に続き、まだ最後にこんな隠し玉(クリスマスプレゼント?)が残っていたとは、いやいや驚きました(ただ本日「驚いた」のは、この判決だけでなく、パナホームさんの100%子会社化にも驚きましたが・・・、これは個人的事情からです。。。)。これは私的には今年一番注目の商事裁判例の可能性大ですね。かつてアイ・エックス・アイ粉飾決算事件の後始末に関与した者として、あの事件でも証券市場に関与した関係者の責任追及がなされましたが和解的解決で終わっておりました。ともかく東京三会のエフオーアイ被害者弁護団の皆さま、認容額が少ないとはいえ、6年がかりでこれほど衝撃的な証券被害判決(東京地裁)を得られたこと、おめでとうございます。

エフオーアイの上場主幹事証券会社であるみずほ証券さんに3100万円の損害賠償責任が認められたとのこと(金額よりも、責任が認められたことの衝撃が大きいですね)。みずほ証券さんとしては控訴する可能性が高いとは思いますが、ともかくどこかで判決全文が読めることを期待しております(みずほ証券以外の証券会社と東京証券取引所に対する請求は棄却されたようですが、監査法人に対する請求も棄却されたのでしょうか?)。執務中ではございますが、とりあえず速報版ということで。

(追記)

有償版の朝日新聞「法と経済のジャーナル」の過去記事によりますと、原告団は会計監査人(公認会計士2名)に対しても訴えを提起したとのことです。また、証券会社の損害賠償責任が認められたとのことですが、これが上場審査中の違法行為なのか、上場後粉飾が発覚した後の証券会社の対応に問題があったのかは判決文を読まないとわからないところです。いずれにしても、今後のIPOに及ぼす判決の影響力は、判決全文を読んでみないとわからないと思います。証券取引所や証券会社がどのような責任回避の理屈を主張していたのか・・・という点にも注目ですね。

(追記その2)

その後のNHKニュースによりますと、みずほ証券の責任が認められたのは、事前に情報提供があったにもかかわらず、その真偽をきちんと調査をせずに上場に関与した(結果として虚偽記載の書類を用いて株式募集を行った)点に金商法上の法人の賠償責任を認めたからのようですね。しかしエフオーアイの事件では、東証にも紙爆弾が投げられていたと記憶していますが、そちらは責任根拠にはならなかったのでしょうか?上場前の「紙爆弾(内部告発)」か・・・うーーーん、やっぱり内部告発は怖いですね。

(追記その3)

午後10時代に出てきた日経ニュースによると、みずほ証券には二度にわたって内部告発が届いていたそうです。上場前の審査に問題があったということのようですね。また上場後、1か月経過した時点で2chにすごい内部告発が出ていますね。ちなみにSESCが強制調査に入ったのは上場後7か月経過してからです。「こんな架空循環取引で実績上げてる詐欺会社に上場資格を付与するって、東証終わってる」との内容。ヤフー板でも当時から「粉くさい」といった投稿はかなり頻繁に掲載されていますね。

12月 20, 2016 商事系 |

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FOI粉飾決算事件で、東京地方裁判所は、みずほインベスターズ証券にも3000万円余りにの賠償を命じたようです。 以下、NHK NEWS WEB(2016/12/20)より一部抜粋。 巨額の粉飾決算が発 ...... [続きを読む]

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コメント

(追記)についてですが、今回の訴訟の被告は
①FOI社の役員8名、
②監査証明をした公認会計士2名、
③元引受金融商品取引業者10名、
④売出所有者3名、
⑤東京証券取引所等2名
の合計25名だったはずです。
 ②との関係では、新聞記事からは請求が棄却されたのか、それとも、役員等に含まれているのかわからないので、判決全文をみてみたいところです。

投稿: 通りがかりの商法研究者 | 2016年12月22日 (木) 08時11分

さすがご専門家の方だけあって会計監査人は「役員等」に含まれるかもしれませんね。ご指摘ありがとうございます。早く私も判決全文を読みたいです。

投稿: toshi | 2016年12月22日 (木) 10時47分

判決文[本文だけで200頁以上!]を幸運にも見ることができたので、
チェックしたところ、監査人は被告から落ちていました。おそらく、口頭弁論終結日前に和解されたのでしょう。したがって、監査人の責任については本判決は判断を示していません。なお、元役員には社外監査役を含む監査役が含まれており、監査役の責任を認めたという点でも注目に値します。また、自主規制法人の注意義務も抽象論としてはみとめています(ただし、注意義務違反はなかったとの判断)。

投稿: 通りがかりの商法研究者 | 2016年12月22日 (木) 20時05分

通りがかりの商法研究者さん、情報どうもありがとうございます。そうですか、それはますます判決を読みたくなってきました( *´艸`)
監査役の責任が認められたということは、共謀というよりも注意義務違反(監査見逃し責任)ということなんでしょうね?正月休みにでも読めないかなぁ・・・・・

投稿: toshi | 2016年12月22日 (木) 21時19分

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