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2017年1月27日 (金)

「社長交代」を遂行できるのは経営者OBの社外取締役が適任(前編)

(一部ブログ記事を削除いたしました。今後とも、関係者の方々にご迷惑をおかけしないよう努めたいと思います。また、内容に虚偽がありましたら速やかに訂正いたします)

1月27日に開催される政府の未来投資会議に関連する話題です。ガバナンス改革が進む中、「攻めのガバナンス」の推進役として現役経営者、もしくは経営者OBの社外取締役さん(※1)に注目が集まっています。「稼ぐ力を取り戻すため」に社外取締役を迎え入れるのであれば、全体最適マネージメント経験が豊かな方が適任だから・・・、というのが主な理由です。これは会社の平時を想定してのものですが、私は会社が有事に至った場合であっても、やはり経営者OBの方の力量が発揮されることが多いというのが実感です。なぜなら「社長交代」といった会社にとって極めて重大な局面において、社長に「成仏できるようにお経をあげることができる」のは経営者OBしか存在しないと考えるからです(なお、特定の事案からそのように考えるのではなく、私自身の業務経験一般からの考えです)。

(※1)・・・ここにいう「経営者」とは、社長さんだけでなく、副社長さんや専務さん等、広く経営全般のマネージメントに責任を持つ立場を経験した方を指しています。

たとえば本日(1月26日)、すでにニュースでも取り上げられていますが、某監査法人さんの子会社(当時)の社長さんが「社長解任は不当だ」として損害賠償請求訴訟を提起した裁判で、東京地裁は「解任の正当理由なし」として元社長さんの請求を認める判決を出しました(某監査法人さんも被告として提訴されているので、「役職解任」ではなく、おそらく株主総会における取締役解任に関する事例と思われます)。事例自体はよくある裁判ですが、社長さんのお名前も、会社名も実名報道されているところをみると、著名な監査法人グループ内におけるお家騒動はニュース価値がある、ということなんでしょうね。誰に責任があるか、といった問題は別として、社長さんが会社や大株主を相手にして裁判を起こす、マスコミが面白おかしく報じる中で会社と元社長が対峙する、といった「お家騒動」に発展するのは、不幸にして社長さんが成仏していないからだと考えます(※2)。

(※2)・・・社長さんが成仏できないのは、個人のプライドを傷つけられた、といった安易な利己的動機からではなく、会社のためにやったことが評価されないとか、構造的な欠陥を社内に残したまま去ることができないといった主に利他的な動機によるところが多いように思います。

よくガバナンス改革のお話の中で、社外取締役の本来の役割は社長交代を主導することである、と言われます。しかし、社外取締役が動いたからといって、「交代劇」を演じることはできても、社長さんを成仏させることはきわめて難しいのです。したがって、「交代劇」は往々にしてマスコミが知るところとなり、社内に派閥争いの増幅や弔い合戦等の禍根を残すことにもなります。社内において、なんとか社長さんを成仏させることができるのは会長さん、顧問や相談役の方々といった先輩経営者の方だと思いますが、最近はどうも議決権行使助言会社を中心に投資家からの「顧問、相談役制度」への批判が高まっており、今後は「顧問、相談役主導による交代劇」自体、期待できないかもしれません。そこでもし、社外取締役が主導して「交代劇+読経」という大役を務めることができるとすれば、それは経営者OBの社外取締役さんをおいて他にはいないと思うのです。

ではなぜ経営者OBの方々は(企業価値を毀損させることなく)トップを成仏させることができるのか?・・・具体的な理由についてはまた来週、このブログで述べる予定です。

1月 27, 2017 コーポレートガバナンス・コード |

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