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2017年3月 7日 (火)

社長の突然の退任-三越伊勢丹HDのガバナンスは機能するか?

いつも不思議に思うのですが、まだ会社が発表していない重要人事をなぜマスコミが報じることになるのでしょうか?どこから記者の方々に漏れるのでしょうかね?なんか予兆のようなものを記者さんは感じるのでしょうか?それとも社内にリークしたい方がいらっしゃるのでしょうか・・・

すでに多くのマスコミで報じられていますが、三越伊勢丹ホールディングス社の社長さんが突然退任されるとのことで、会社側は(まだ何も決まっていませんが)7日の取締役会で人事問題を協議します、とリリースしています。社長さんの3月1日付け日経ビジネスのインタビュー記事などを読むと、まだまだこれから三越伊勢丹の社長として、また日本百貨店協会会長としての仕事への意気込みが強く感じられるので、ここでのリタイヤが既定路線だったようにも思えません。やっぱり何かあったのでしょうね。

ところで三越さんといえば1982年の社長解任劇を思い出しますが、今回も社内対立の末の解任ではないか、といった報道もあるようです。上記インタビュー記事からみても、そのような見方もできるかもしれません。ただ、三越伊勢丹HD社のガバナンスに関する説明では、取締役会の諮問機関として「指名・報酬委員会」が設置されており、もしこの委員会が機能しているのであれば、ここで次期社長さんの人選を協議することになるので、社外取締役主導による社長交代という可能性もあり、単なる社内対立の顕在化とは断定できません。取締役として残られるかどうかも検討課題かと。なので「次の社長は決まっていない」という点も(対外的な発表としては)当然のように思えます。三越伊勢丹さんの指名・報酬委員会は著名な経営者OBの3名と社長・会長を含めた5名という構成員ですが、まずは現社長さんの意向を確認したうえで、サクセッションプランに従った後継者選定というのがスジではないでしょうか。

監査役会設置会社における指名委員会の活動が注目されたのは昨年のセブン&アイホールディングスさんの事例でした。ただ、あのときは実績を上げている基幹グループ会社のトップを支持する形で委員会が動きましたが、今回の三越伊勢丹ホールディングスさんの事例は、業績がいまひとつ上がらない経営トップの人事に関するもので、やや状況が違います。今後マスコミの報道で明らかになると思いますが、指名・報酬委員会は社長退任に向けた事前行動にも関与していたのか、次の社長候補者はどのようなプロセスを経て絞られていくのか、それとも指名・報酬委員会がまったく機能しない中での「お家騒動」なのか、とても関心のあるところです。ひょっとしたら、今まさに議論されているガバナンス改革におけるモニタリングモデルの取締役会が機能した事例として様々なところで取り上げられるかもしれません(あくまでも個人的な推測にすぎませんが・・・)。

しかし後任不在のまま社長が退任するとなると「ん!?なんぞある?」ということで株価が6%も下がるのですね。報道されてしまうと(あること、ないこと)いろんな憶測も飛び交いますし、やはり社長退任劇は隠密裏に敢行したくなります。7日以降の追加情報に期待したいと思います。

3月 7, 2017 コーポレートガバナンス・コード |

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