パワハラが公益通報の対象となる日は来るか?ー厚労省検討開始
昨日は、インサイダー取引規制関連のエントリーにおきまして、誤った情報を提供してしまい、関係会社にご迷惑をおかけいたしました(すでに該当箇所は訂正しております)。申し訳けございませんでした。同じようなミスを繰り返さぬよう、刑事事件を取り扱う際には注意をしてまいりたいと思います。
さて、(本日は短いエントリーですが)厚生労働省は、職場でのパワーハラスメントを防ぐため、パワハラ行為を法律で禁止することなどを視野に入れた検討を始めたそうです(5月22日の日経ニュースより)。私もニュースで初めて知りました。規制手法については、ガイドライン行政となる可能性もありますが、もし本当に法律でパワハラ規制が実現するとなれば、さらに法違反や行政処分違反に刑事罰が盛り込まれることになれば、いよいよパワハラ行為も公益通報者保護法上の「公益通報」に該当することになります。
もちろんパワハラ行為といっても、刑法犯に該当するような悪質なものは現在でも公益通報事実に該当しますが、精神的ないじめや事実上の嫌がらせといったものは対象外です。民事賠償の対象だけでなく、取締り規定による規制が厳しくなれば、それだけパワハラ行為の明確性も要求されることになります。そうなるとパワハラ認定もさらに難しくなりますが、企業の関心が高まることは間違いないと思います(内部通報窓口の業務において、悲惨な状況を目の当たりにしている私としましては、ぜひとも法規制を推進していただきたいと願っております)。
一昨日のNHKスペシャルでは「発達障害」の三形態が紹介され、その実態に私も衝撃を受けました(紹介記事はこちらです)。外見的には普通であるがゆえに、職場では「性格が悪い」とか「能力が乏しい」といった評価を受けてしまう方々がたくさんいらっしゃるそうです。「普通」であることを強要するのではなく、いろいろな考え方を許容できる企業社会がなければパワハラもなくならないだろうなぁと感じた次第です。
| 固定リンク
コメント
(本編への反応でなくて申し訳ないですが)発達障害、私も視聴して、ビックリでした。「私は発達障害です。」という人が、大学院卒業で、学会発表もしているため、知的には全く問題ない人だったりする点で、知的障害、身体障害とは違った障害なのだということを初めて知りました。と言うことは、それくらい世間に認知されていないのが発達障害でもあるわけで、世間から理解されないというのは、本当に大変だと思います。
世間の人が知らないというのは非常に苦しいことで、私は、36年越しのスギ花粉症なんですが、最初の頃は、誰も知らない病気なので、非常に思いをしました。今は、高機能マスクを掛けようが、花粉用サングラスを掛けようが、世間の人は、何とも思いませんので。発達障害者の場合には、うつ病を併発することも多いというのも、まさに世間が知らないが故の辛さからだと思いました。
投稿: ひろ | 2017年5月23日 (火) 12時10分
ありがとうございます。発達障害者が15人にひとり、つまりクラスに2~3人の割合でいるんだ、ということに衝撃を受けました。脳科学の発達で理解が進むことになりましたが、そのような人たちと共存すること、障害者といえども、他の能力では秀でていることがたくさんあることを理解できることが「あたりまえ」になってほしいと私は感じました。
投稿: toshi | 2017年5月23日 (火) 12時25分
ご無沙汰しています。小生も発達障害特集みました。天才でも該当するかたがいて対応できる社会
になると良いとおもいます。ひろさんの御意見もごもっともと思います。
投稿: 星の王子様 | 2017年5月23日 (火) 16時26分
少し本文と関連する内容ですが、「自分ファースト」と一括りにされることもあります。また、他の同僚が「彼のため」と思って残業や休日出勤をしているのに何の礼儀も尽くさない、ということもあります。
当事者になってみれば理屈と感情が合わないこともありますが、「普通にしたいけどできない」人たちがこれほど社会に多い、ということをどう捉えればよいのでしょうかね?
先日、男性更年期障害の治療を専門とする医師の方のお話を聴きました。私も含めて、ほとんどの中高年男性は「うつ」の症状を持っているそうです。ただ、診断書に「うつ」と書く境界線がむずかしいとのこと。私もどこかに3パターンのうちのいずれかの「発達障害」があるかもしれませんし、くくられる境界線もあいまいなのではないかと思ったりしました。
投稿: toshi | 2017年5月23日 (火) 17時06分