株主総会7月開催困難→進む株主総会手続きの電子化
世間では「経営法務」を大学院で専攻されている方が話題になっておりますが、本日(17日)から、いよいよ本年度の司法試験が始まりますね。法律選択、憲法、行政法・・・、皆様、日曜日まで、体調を崩さずにぜひ頑張ってください!!
経産省「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」でも推進されていた3月決算会社による株主総会7月開催ですが、上場会社をみるかぎり、本年度に7月開催を決めたところは全くないそうです(5月16日日経朝刊「一目均衡」より)。やはり決算日と基準日を一致させる、という企業慣行はなかなか崩れません。7月開催が進むと、深度ある監査の実現、金商法会計と会社法会計の一元化なども図れるとして、やや期待感はありましたが、やはり企業実務への影響が極めて大きいということですね。
ところで、「株主総会関連の日程の適切な設置」が要請されているコーポレートガバナンス・コードの補充原則1-2③については、本則市場に上場する会社の98%が「実施する」(コンプライ)と表明していますので、7月開催をしない、ということになりますと、株主との対話の促進のために、上場会社は招集通知の早期発送や議決権行使の電子化に向けて対策をとる、ということになるのでしょうね。おそらく株主総会手続きの電子化がかなり進むのではないかと予想しています(ちなみに、ガバナンス・コード1-2③は、かならずしも株主総会の7月開催を求めているわけではない、というのが金融庁立案担当者の説明です)。
また、来年に予定されている会社法改正ですが、株主の同意なくして招集手続きを電子化できるよう、法改正も行われるものと思います(この点は、おそらく会社法制部会での審議も、それほど異論なく進むのではないかと)。海外の法制度がすぐに取り入られれる分野もありますが、株主総会実務の分野はずいぶんと諸外国とは異なる法制度が生き続けますね。運用会社(機関投資家)による議決権行使結果の個別開示が進む中で、対話すべき株主にとってはますます忙しくなりそうです。
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コメント
企業は過去よりも将来に向かいます。終了年度に関する総括である総会をできるだけ早く終了し、当年度、次年度以降に向かいます。従って決算発表もできるだけ早く。ちなみに、12月決算の当社総会は3/21、決算発表は2/2、招集通知web開示は2月中旬、郵送も2月中で頑張りました。担当の労働時間という課題が残りますが、、、。 総会開催を遅くするのは、次への歩みがスローとなりますのでネガティブ。と思うのは、私の所属する会社だけでしょうか。多くの企業は同様と思います。攻めのガバナンスへの逆行ではと思うのは自分だけでしょうか。
投稿: 杉山 | 2017年5月18日 (木) 04時02分