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2017年11月 1日 (水)

社長のパワハラ発言による被害者は叱責を受けた者だけではない

最近、投資判断のための基準としてESG指数なるものが脚光を浴びておりますが、その構成銘柄(ESGに力を入れている日本のリーダー企業)に神戸製鋼さんが入っております。皮肉でもなんでもなく、神鋼さんは普段からESG経営にとても力を入れていて、それなりに評価されています。ただ、そういった評価を受けている会社は不祥事に強いもの(打たれ強い?)と思われがちですが、実際にはレピュテーションリスクの顕在化とはあまり関係がないということでしょうか。

さてESGといえば、少し前(10月19日)の日経朝刊に「パワハラ賠償 同僚にも-東京高裁、間接被害を認定」と題する記事が掲載されていました。某医療機器メーカーの販売子会社で働いていた女性従業員の方々が、社長から実際にパワハラを受けている同僚と同じように精神的被害を(間接的に)受けていたとして、慰謝料が認められたそうです。判決文を読んでおりませんので、記事からの感想のみ書かせていただきます。

当ブログでも、過去に何度か「セクハラは被害者からの通報が多いがパワハラは職場の同僚によるものが5割」と申しておりましたが、その分析については私の認識が少し甘かったようです。パワハラは「ハラスメントが横行している職場で同じ空気を吸いたくない」とか「被害者がかわいそう」といった現場目撃者の感情から内部通報がなされるものと思っておりましたが、この記事のように「明日は我が身」といった被害者感情から第三者による通報がなされることもあるのですね。ちょっと私の想像力が不足しておりました。

ときどきパワハラに関する調査をしますが、「これってパワハラをされる側にもそれなりに問題があるのかも・・・」と思い、再発防止策(職場環境配慮義務の履行方法)の検討に迷うことがあります。しかし、このように職場の第三者に対しても不法行為が成立する、ということになりますと調査範囲を広げたうえで判断しなければなりませんし、また「パワハラを受ける側の問題」といった事情をあまり斟酌しないほうが良いのかもしれません。働き方改革の副作用として、今後もパワハラやマタハラ、パタハラといった人権侵害が社内に横行する可能性が高まるように思います。「労働者への人権侵害を助長する企業」というイメージは、企業のレピュテーションリスクを顕在化させることに留意すべきです。

11月 1, 2017 民事系 |

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