« 日本年金機構サイバー攻撃事件に思う個人情報管理のむずかしさ | トップページ | 当職が委員長を務める外部調査委員会の報告書がリリースされました。 »

2018年5月24日 (木)

経産省CGS研究会中間整理が実務に及ぼす影響について

日大さんが、ようやく第三者委員会を立ち上げるそうですね。本日(5月23日)、私のコメントが読売新聞や日経(WEB版)に掲載されましたが、取材を受けたときに「一刻も早く外部の委員による調査委員会を設置したほうがいい」と力説いたしました(読売新聞のほうでは明確に「第三者委員会」とは掲載されていませんが・・・)。NHKさんからの取材にも「皆さん方の過熱報道から関係者を守るためにも、とりあえず冷静な第三者による調査が必要だと思います」と回答しました(それが原因だったのか、ニュースでは私の意見は全く取り上げられませんでした)。

相変わらず本業が忙しく、ブログを書く時間がとれませんので、簡単なコメントのみで失礼いたします。5月18日に経産省CGS(コーポレートガバナンス・システム)研究会から公表されました「第2期中間整理-実効的なコーポレートガバナンスの実現に向けた今後の検討課題」は、なかなかスグレモノで、実務に参考になりそうですね。ちょうど1年前に策定されたCGSガイドライン(指針)のフォローアップ版が今年3月に公表されましたが、このたびの中間整理は、その結果や近時のガバナンス・コード改訂の流れを読み取り、次のフォローアップのための課題をまとめたものだそうです。ガイドラインのターゲットをポピュレーションアプローチで捉えるか、それともハイリスク・アプローチで考えるか、といった議論もなされていて(たとえばこちらのエントリーを参照ください)、「形式から実質へ」と、ガバナンス改革が深化する流れが把握できます。

とくに、ガバナンス・コードへの対応を真剣に考えておられる上場会社さんの実務にはかなり参考になるのではないかと思います。たとえば任意の指名委員会や報酬委員会を設置している上場会社さんも増えていますが、社外取締役だけでなく社外監査役も積極的に委員として関与すべきかどうか、たとえ委員で関与することが適切でないとしても、オブザーバーとして関与することに問題はないか(むしろ積極的に関与すべきではないか)・・・といったことは、社外取締役の数が増えている会社さんを中心に悩んでおられる点でして、この中間整理を参考にされてはいかがでしょうか。

コーポレートガバナンス・コードにコンプライしているといいながら、実はコードの解釈を誤っているのでは?との危惧感が2か所ほど登場する点もおもしろいですね。私個人の考えとしては、相当多くの上場会社さんで東証規則違反(コンプライしています、と言いながら、実はコンプライしていない)が起きていると確信をしております(笑)。まあ、そのサンクションは東証からペナルティを受けるというものではなく、株主との対話による是正、といったあたりが考えられると思うのですが。

また時間ができましたら、CGS中間整理の内容について、いろいろと個人的な意見を述べたいと思います。

|
|

« 日本年金機構サイバー攻撃事件に思う個人情報管理のむずかしさ | トップページ | 当職が委員長を務める外部調査委員会の報告書がリリースされました。 »

コメント

報道されている、5月24日の、日本大学から関西学院大学への回答書が出される前の段階でのコメントで恐縮ですが、仮に日大が企業組織としたら、加害者選手は「業務命令」を、その場の空気を読みつつ実行に移した…のかなと。報道陣が過熱気味に(涙するメディア関係者も出る程)展開している背景は、拙い想像ながら、報道取材陣も「明日は我が身」と感じている?。
山口先生の文面を更に理解する為に、今回は「コーポレート・ガバナンス』のウィキペディアでの記述を横に、パソコンで拝見しております。
日大が上場企業ではないので「株価暴落』はありませんが、寄付金の減少や今後の受験生激減等も懸念されているとしたら、日本版NCAA版の急務、教育機関としてもESG投資的展開への準備をする事も必要なのかもと、思いました。
私は日大OBでもないし、家族親族に在学生もおりませんが、現時点で、甥や姪に日大に進学を薦められる心境では無いのがホンネです。
「日本大学は、誰の物か?』とも考えさせられています…。

投稿: にこらうす | 2018年5月24日 (木) 05時39分

本日5月25日は「日本」大学学長が記者会見しました。
ここに至るまで、正式に文科省、スポーツ文化庁への通報があったとは思われませんが、SNSでの動画がまず世論を動かし、マスコミを動かし、行政を動かし、ようやく「日本」大学の最高責任者を動かしました。
5月30日(水)13時からの内閣府消費者委員会「第14回公益通報者保護専門調査会」の議事内容は、第13回で予告されていたとおり【行政通報の一元窓口】です。
2016年末の消費者庁「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」最終報告書では、消費者庁が一元窓口となる旨の検討結果報告がなされていましたが、本年は広い視野、新たな視野から検討され、内閣府なり広域を管轄する新組織なりが【行政一元窓口】になっても良いと個人的には考えます。

投稿: 試行錯誤者 | 2018年5月25日 (金) 18時31分

にこらうすさん、試行錯誤者さん、ご意見ならびに情報、どうもありがとうございます。日大反則タックル事件はおもいのほか、大きな話題になってしまいましたね。この件、また別途エントリーに書きますので、宜しくお願い致します。

投稿: toshi | 2018年5月28日 (月) 10時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104680/66752600

この記事へのトラックバック一覧です: 経産省CGS研究会中間整理が実務に及ぼす影響について:

« 日本年金機構サイバー攻撃事件に思う個人情報管理のむずかしさ | トップページ | 当職が委員長を務める外部調査委員会の報告書がリリースされました。 »