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2018年7月 3日 (火)

グループ・ガバナンスの在り方に関する実務指針(未来投資戦略2018より)

昨年4月21日のエントリー「監査法人必読!もうひとつのエフオーアイ事件」でご紹介した裁判ですが、今年4月12日に東京高裁にて控訴審判決が出ています(最新号の金融・商事判例に全文掲載)。なんと控訴審判決では、ほぼ同じ事実が認定されていながら、エフオーアイの架空循環取引に協力した取引先従業員の方の損害賠償責任が否定されていますね(従業員および取引先企業の逆転勝訴ですね)。まだ解説文しか読んでおりませんので、また判決全文をチェックした後で自分なりの判断を書かせていただこうかと思っております。

さて(ここから本論ですが)、働き方改革法案の成立、TPP11整備法の成立による独禁法(確約制度-ただしハードコアカルテルへの適用は除外されるようです)改正など、今後も法律雑誌等で大きく取り上げられそうな話題が豊富ですね。そのような中で、6月15日に公表された「未来投資戦略2018」では、会社法改正によって認められる「株式交付」を活用した事業再編の推進と並んで、ガバナンス改革5年目の目玉としてグループ・ガバナンスが取り上げられている点が注目されます。

投資戦略2018の130頁あたりに「・企業グループ全体の価値向上を図る観点から、グループ経営において 「守り」と「攻め」両面でいかにガバナンスを働かせるか、事業ポー トフォリオをどのように最適化するかなど、グループガバナンスの在り方に関する実務指針を来年春頃を目途に策定する。」とあります。最近、グループ経営管理に関するご相談案件が東京でも京都・大阪でも増えていますが、私個人の感想としては「グループ・ガバナンスは難易度が高い」施策と認識していますので、汎用性のある実務指針が開発されるのであれば、たいへん興味があります。

たとえば海外子会社管理のガバナンスについては、先日のこちらのエントリーで示したように、同業他社と比較しても三者三様であり、一律にベストプラクティスといえそうなものは見当たりません。グループとしての中長期的な企業価値向上のために、どのような経営体制を敷くかは、各社で検討すべき事項が多いと思います。とりわけ、会社法がグループ・ガバナンスに対応していないので、親会社取締役の子会社管理と善管注意義務の関係を整理する必要があるのではないでしょうか(基本的に平成26年会社法改正における議論の積み残しではなかったかと)。また、子会社取締役からみれば、TMS、CMS等のグループ資金マネジメントシステムの導入など、利益相反問題と善管注意義務の関係などにも法的な課題があるように思います。

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コメント

今、朝日が昇る、午前五時すぎ。W杯の日本人選手の善戦…だったと…超格上の欧州/世界屈指の強国相手に先制した瞬間は身震いしました。(結果は悔しいけれど、残念)

世界大戦の戦前戦後、世界に追いつき追い越せと走って来た日本国と重ねるイメージというと大袈裟かも知れませんが、『「守り」と「攻め」両面でいかにガバナンスを働かせるか」』・・・と重ねる部分もあって、拙いコメントを記させて頂きました。

日用品大手のL社の「グループ・ガバナンスの強化」という、サイト/サステナビリティの文面を思い出して見ています。不正事件/愚行さがメディアで先行する昨今、個人的にで恐縮ですが、海洋資源の恩恵で成長する日本にとって「マイクロプラスチック問題」の解決に向けて是非とも世界の頂点に立って欲しいと願う者の一人です。技術及び金融に加えた、生き物としての人間力を駆使して、僭越ながら、日本法人の底力を今一度世界に発揮されたし…各社の活躍を期待しています…。

投稿: にこらうす | 2018年7月 3日 (火) 05時51分

いつもありがとうございます。にこらうすさんの前半部分の記述、別のところで使わせていただきます(笑)

投稿: toshi | 2018年7月 4日 (水) 17時50分

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