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2019年4月 4日 (木)

日産自動車の企業統治に関する各紙社説の検証(産経新聞より)

産経さんは大きく「ゴーン氏、4回目の逮捕へ」と報じています。逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないからこそ保釈が許可されたと思うのですが、逮捕の理由や必要性はあるのでしょうかね?ゴーン氏がツイッターで語った内容と関係はあるのでしょうか?ということで(?)、本日は産経新聞さんの記事についてひとこと。

4月3日の産経新聞朝刊「社説検証」は、日産の企業統治に関する各紙社説をテーマにしていて参考になりました。ガバナンス改善特別委員会報告書の公表を受けて・・・というものですが、産経と読売は「企業統治の改善は形だけでは意味がない」として「監督機関としての取締役会の実効性を高めよ」(産経)、「経営者や社員の意識改革を進め、社内風土の見直しを図れ」(読売)としており、おおむね当ブログで私が述べたところと合致したものです。

日経は「(執行と監督の分離を明確にしたガバナンスは)他社にも参考とすべき点がある」として、特別委員会報告書を評価していますが、朝日は「今回の内容で経営の立て直しは十分とはいえない」「前会長以外の経営者の経営責任について踏み込んだ検討や説明をしていない」と厳しい意見です。ちなみに上記産経記事では紹介されていませんでしたが、東京新聞ではおなじみ八田進二先生(青山学院大学名誉教授)も、たしか朝日と同様「検証が不十分」との意見を述べておられ、大きく紹介されていました(なお、毎日新聞もけっこう詳細に取り上げておられたように思いますが、上記の産経記事ではなんらの紹介もありませんでした)。

最近の各紙記事では日産のガバナンスを語るにあたり「なぜカリスマ支配者の暴走を止められなかったのか」といった問題提起がなされていますが、そもそも前会長さんが「暴走している」という認識は他の役員の方々にはあったのでしょうか。まったく暴走していない経営者でも「うるさい監査役はやめさせろ」とおっしゃるケースも普通にありますし(笑)、グレッグ・ケリー氏のように「(ブラックボックスを引き受けて)なにをしているのかわからない役員さん」がいらっしゃる会社も結構ありますよね。「経営の透明性を高める必要がある」(産経)のはそのとおりなのですが、では具体的に日産の事例では、ゴーン氏の何をもって(取締役会が止めることができた)「暴走」と判断するのか、また「暴走」か否かの判断は誰がするのか、そこが明確にならないと議論が進まないように思います。

私もゴーン氏の「暴走」とは何であったのか、いまだによくわからないのですが、開催時間がわずか20分であったり、利益相反取引や関連当事者取引に関する審議がされていなかった、代表取締役(ケリー氏)による業務報告がなされていなかった、となりますと、そもそも「取締役会の暴走」があったのではないかとの疑念が生じてしまいます。日産をめぐって、今後フランス政府やルノーが経営支配を強めようとする動きが出るかもしれませんが、そこで必要なのは経営の透明性を高める以前に、まず「取締役会の暴走」の根本原因を究明することではないかと思います。これだけ日本経済に影響を与えるほどの大企業ですから、「カリスマ経営者」以外にも「取締役会の暴走」を許してしまう要因(力学的要素)はたくさんありそうです。

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コメント

「取締役会の暴走」という記述を、山口先生の本エントリーで3度も使われていますが…自動車会社の現役重役に関連する問題は、いつになったら「ブレーキ」が掛かるのでしょう?と思ってしまいました。恐縮です。
4月4日/6時19分付のNHKウェブニュース/画像では、特捜部の車両と思われるクルマのNISSANのエンブレムが見えています。自社のクルマで連行される(?)(罪の有無はまだ未確定ながら)ゴーン前会長の心境はいかほどでしょう。
NISSAN社の新入社員入社式が、いつ行われたのか存じません。今この瞬間にも、NISSAN車を新車納入する個人、企業も存在しているでしょう。
NISSAN車組み立て工場に部品を納入する、取引先企業も5つや10では無いでしょうし…。NISSAN社屋の従業員食堂で食事を提供する給食会社も複数存在するかと。
検査不正など、一部の悪質な従業員こそ存在したものの、多数の良識有る従業員及び関係者がいるからこそ、日本の上場企業の1社としてグローバルなコーポレートガバナンスを(一応は)維持していると思っています。
かつて山口先生のエントリーで「ハラスメントは人権問題」と記述されていたかと記憶していますが、「取締役会の暴走」による精神的苦痛を、被害総額的に試算したら、どれくらいの数字になるのでしょう?
司法取引を使っての、ゴーン前会長への謀反を起こした現経営陣が、上記の方々から集団訴訟的謀反を起こされたら、どうなるのでしょう?などなど、想像は尽きません。
(軽率な発言記述をするつもりではありませんが)
「特別決議」を経て、NISSAN社及び三菱自動車を解散し、元号が変わるタイミングの年に「令和自動車(仮称)」として、日本初のEV専用自動車会社として再スタート…というコメントを、「4月1日(エープリルフール」に発する予定でした。
別名「4月ばか」は、当日の午前中に許される行為ですので…けれど、あらためて日産自動車/取締役問題は一体誰が「馬鹿」失礼/精神的愚行者なのでしょう。
TBS系テレビで某氏が「喝!!」を叫ぶ番組/コーナーがありますが、NHKもそろそろ「週間ガバナンス(仮称)」という番組を立ち上げて、日本社会の不正暴走に歯止めをかけるくらいの意気込みあるマスメディア展開をして頂きたいと思いながら、満開の桜花見に気分転換を予定する日々です・・・。

投稿: にこらうす | 2019年4月 4日 (木) 08時28分

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