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2019年12月 5日 (木)

令和発の会社法改正法案の成立(で、ひとこと)

本日の参議院本会議における投票結果(賛成222 反対17)により、会社法の一部を改正する法律案・関係法律の整備法案が可決成立しましたね。今回の会社法改正は、比較的大きな会社の実務に関わる項目が多いので、拙ブログをご覧の皆様の会社にも影響が及ぶのではないかと思います。

といいますのも、政策実現的な色合いの濃い改正項目が多いので、「改正会社法」といっても、関連諸法(諸制度)との関係を理解する必要があると考えます。たとえばハードローで言えば今後立案される会社法の政令(結構、会社実務に影響を及ぼす項目の具体的内容が政省令に委任されています)、金商法の政省令(行為規範を、事業報告以外の開示規範で代替します)があります。

また、ソフトローでいえばガバナンス・コード改訂版、経産省実務指針や解釈指針など、会社法が強制権限を行使しなくても、ディスクロージャー制度やソフトローで会社が自主的に動いてもらう、問題があれば法改正ではなくガイドラインを動かして実務に影響を及ぼす、といった法政策がとられる可能性が高いです。

もし会社法改正が実務に及ぼす影響を理解するのであれば、税制改正や経済法領域を含め、こういった政策実現のための諸領域の動向にも配慮しないと「落とし穴」にハマる可能性がありそうですね。平成26年改正のとき、分不相応に(?)改正会社法を解説する本を出版して恥をかいた私の失敗経験からの教訓です💧今回は他のエラい方の書かれる解説本を読んで勉強します💦



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コメント

会社法はじめ、法治国家ニッポンでは、法の文面の正しい解釈が不可欠ですが、読売新聞が昨日今日とOECD/PISAでの読解力の低下する学生の事を一面トップで取り上げています。
(自省も含めて、以下:コメントです。)
ビジネス法務理解の大前提でもある「読む能力」が今、岐路に立たされている…という問題提起の大きさと思われます。
ただ,大学生を頂点とする学生の、SNS普及を原因の一つとするコメントも在りましたが、スマートフォンを「スマホ(フォではなく)」と表現普及させておいて、是正させないのは大人たちであり、スポーツ欄で「コイ」「ハム」等とプロ野球球団名を簡略化しているのは何処の何方ですか?と言いたくなりつつ拝読しました。
(「文章作れぬ若者」と、大型フォントを使っての編集表現/見出しデザインの背景に存在していそうな、大人たちは正しいと言いたげなメディアの身勝手さを嘆いています。)
ビジネス法務はじめ人間社会の法律は、乳児から老人まで関連する訳ですから、問題提起をするに留まらず、「新聞を読まないから」等と短絡的な発想を超えた、広義の文章力の向上に、大人たち全員が取り組むぐらいの気概と実行力が必要と感じています。
又、法律用語に限らず「専門用語」理解力、ケースバイケースで使い分ける分別力の養成などと併せた古来+現代の日本語と、SNS語(仮称)の共存が荒波となって異常事態となり、良好な社会形成維持の足を引っ張る事になる事を憂いています。
大切なのは、毎回発表される国別順位の動向ではなく、文章及び言語を使う当時者同士が、周囲/社会に悪影響を与えずに相互理解を正しく行って、無意味な混乱、騒動リスクを抑える事・・・と思いつつ、内定が決まり、新社会人目前の若者たち等に向けた、会社法はじめ法律の正しい理解と活用には何が必要なのか?と模索しながら、読売新聞(本当は讀賣と使うのが正しい?)の連載「国語力が危ない」に注目しています。

投稿: にこらうす | 2019年12月 5日 (木) 23時53分

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