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2020年1月17日 (金)

いよいよ公益通報者保護法の改正か?-自民党PT論点整理始まる

(1月17日午後1時半 追記)

1月20日に召集される通常国会では、過去最少52本程度の提出法案数のようですが、本日、自民党PT(消費者問題調査会 公益通報者保護制度に関するPT)による論点整理が行われましたので(リリースはこちらです)、提出法案の中に公益通報者保護法の改正法案が含まれる可能性がありますね。

昨年の首相所信表明でも「公益通報者保護を強化する」とありましたし、日弁連のこちらの集会なども「2020年通常国会に公益通報者保護法の改正法案が提出される見通し」とありますので、どうしても期待してしまいます。こういったニュースは共同通信さんが早くて正確なのですが。。

2018年の年末に内閣府・消費者委員会の専門調査会がとりまとめた報告書の方向性が維持されているのでしょうか、それとも経済団体の反対に配慮して「やや後退」になってしまっているのでしょうか、法案の中身についてはわかりません。

ただ、先日も若干ご紹介したように、2019年11月26日、EU内部通報者保護指令が公布され、(内部通報制度に消極的だった)ドイツやフランスでも内部・外部通報者の保護を徹底した公益通報者保護法の国内法化が進みます。企業は内部通報を受理する専門社員を雇用しなければならず、また、通報者への不利益処分が課された場合には「報復であることの推定」により立証責任が転換されることで、労働者の徹底保護が図られます。

このような海外事情や日本郵政グループの事例、JDIの事例をはじめ、近時の企業不祥事の発覚端緒をみても、EUと同様の保護法制は日本でも急務です。従業員の方々が、安心して通報制度を活用できる組織風土を築くためにも、改正公益通報者保護法の成立・施行が待たれます。

(追記)

今朝(1月17日朝)の日経4面に「内部通報保護へ要件緩和」として、通常国会に改正法案が提出される見込みであることが報じられています。日経さんが早かったですね(失礼しました)。

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コメント

柴山昌彦衆議院議員も、自民党消費者問題調査会「公益通報者保護PT」について先月より御発信され、私も自民党のサイトに意見具申しました。
日弁連の社外取締役に関するシンポジウムで、パネリストだった山口先生の「公益通報」に関する意見に対し、柴山議員が御反応したことが頭にこびりついています。
社外取締役に通報するルート、CGコード【原則2-5】が未だに浸透していないように思います。
実際、社外取締役に通報したものは、不利益を受けています。
通報経験者が法改正に協力することには多大な犠牲があり、そもそも国益を守るための「公益通報」について、政府・閣僚・行政が、国益だけでなく「通報者」を守る姿勢も明確にしていただきたいと要請しています。
経団連、経済同友会にも要請しています。

投稿: 試行錯誤者 | 2020年1月17日 (金) 19時17分

いつも情報をいただき、ありがとうございます。ようやく動き出しましたね。私は平成18年当時は「公益通報者保護法」などほとんど知りませんでした。今度こそ、企業に根付くように知恵を出さねば、と思います。

投稿: toshi | 2020年1月17日 (金) 19時53分

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