NOSを中心とした架空循環取引の件につきまして(関係者の方へ)
当ブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。このたびのネットワンシステムズ社(NOS)の営業社員を中心とした架空循環取引は、9社ほどが関与していたものと報じられています。関与会社の会見内容を報じるメディアの論調は「架空循環取引って、関与していた会社が『知らなかった』というのは少しおかしいのでは?」といった雰囲気が比較的多いようですね(循環取引のカラクリが、少しだけ世間にも理解されるようになったせいでしょうか)。
さて、本日のエントリーはここからが本題なのですが、当ブログ2月17日付けのエントリー「会計不正事件の王道「架空循環取引」は増えることはあっても、減ることはない」に対しまして、当該架空循環取引の関係会社の方からコメントをいただきました。なぜ「関係会社の方」と判断できるかといいますと、明らかに関係会社の社内事情に詳しい方だからです。
当ブログは、基本的に全コメントをそのままアップするようにしておりますが、このたびのコメント内容は、私を含めて本件架空循環取引の根本原因を理解するためにはたいへん有用なものでした。しかしながら、内容が第三者委員会報告書にも記載されていない事実関係も含むものであり、そのままコメントをアップすることは(関係会社にも、またコメントをされた会社関係者の方にもご迷惑をおかけするおそれもあり)問題があると判断し、公表を控えております。
ということで、関係者と思われる方からのご承諾が得られれば、公表できる範囲において当職が内容を修正して、皆様にご紹介したいと思います。もし、コメントをお書きになった方から、「公表は控えてほしい」との連絡をいただいた場合には、非公開のままとさせていただきます。
すいません、ときどき企業不祥事関係のエントリーには関係者の方々から「メール」をいただくのですが、今回は「コメント」なので、エントリーの形で告知させていただきました。もう15年もブログを運営しておりますと、過去に何度か、コノテのトラブルに巻き込まれた経験がございますので(笑)、慎重な対応をとらせていただきます。
会社関係者の方からのコメントから、上記2月17日付けエントリーで推測していたことが、かなり当たっているという印象を持ちました。しかし、私の意見に関して「底が浅い」点への批判も頂戴しておりまして、組織力学や商取引の慣行についての理解不足(まだまだ読みが甘い)を反省しております。もしご承諾が得らえない場合には、また「一般論」として、そのあたりを別エントリーにてご紹介したいと思います。
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コメント
山口先生の「コメントされた方、および関係者」への誠実な対応、真摯な説明がうかがえる内容です。
「組織力学」のなかには前回の当該エントリーで書かれた人事考課、何をすれば経営陣に評価されるのか?という深淵さも含んでいますので「底が浅い」というわけではないと思います。
そもそも、正しい行いや「不正の通報」が評価される組織が多くなれば、「公益通報者保護制度の実効性が低い」と問題にされることもないのでは?と考えます。
そのためには「既通報者」の通報背景の検証は、極めて有用であるとも言えます。
「一般論」としての別エントリーも楽しみにしています。
投稿: 試行錯誤者 | 2020年2月23日 (日) 14時41分