産業經理(最新号)に「架空循環取引の根本原因を考える」と題する論稿を掲載いただきました。
一般財団法人産業経理協会さんが、会員企業向けに発行されている季刊誌「産業經理」の最新号(80巻2020年第1号)に、「架空循環取引の根本原因を考える」と題する小稿を掲載していただきました。1年にわたって(といっても4回ですが)「ビジネス法務雑感」の連載を担当しておりまして、その3回目として執筆したものです。論稿といいましても、他の会計・監査の学者の皆様のような大作ではなく、ほんの5000字程度のものです。
ただ、過去における架空循環取引調査に関わった実務経験から、「これを正さないと架空循環取引はなくならないのではないか」と考えていることを、簡潔にまとめたものでして、企業社会の不都合な真実を指摘しております。当ブログにおいて、架空循環取引はけっしてなくならない、と自信をもって言える背景がおわかりいただけると思います。
ところで、とても格調の高い会計誌ですが、会員企業以外の皆様には入手しにくいと思いましたので、産業経理協会さんのご厚意によって、当ブログから拙稿のダウンロードを許可していただくことになりました(どうもありがとうございます。ちなみにPDFの左下に「初校」とありますが、掲載原稿と全く内容は同じです)。もし、ご興味がございましたら、ご一読くださいませ。皆様にも関心の高いテーマであり、ご異論・ご批判あろうかと思いますが、感想も含めて、メール・コメント賜れれば幸いです。
(出典は一般財団法人産業経理協会「産業經理」80巻1号190頁~191頁)
上誌の拙稿の後に「会計基準の開発と法の関係を考える」と題する公認会計士の阿部光成先生の論稿が掲載されていて、実はこっちもたいへん示唆に富む内容です。以前当ブログでも取り上げた「有償ストック・オプション」や「仮想通貨」に関する会計基準の取扱いに潜む問題ですね。私は「法と会計の狭間の問題」と考えています。
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コメント
「元」ですので、現場感覚が欠如しているかもしれません。ただ、購買部門や経理部門に無理を通す、技術担当にモノを言う、値引き販売、サンプル提供、接待交際費といった事象は、「稟議書」であるとか、経費決裁記録であるとか、端緒だらけ、となるのでないかとも思います。
重要性その他の問題があるにせよ、それこそ正常な猜疑心をもってあたれば、会計監査・内部監査の局面で、一定の牽制・調査がはたらいてくるものとも思います。
けっしてなくらないにせよ、それに対処していく側の責任も考えてよいのではとも感じました。
投稿: 元会計監査従事者 | 2020年4月29日 (水) 18時10分