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2021年1月30日 (土)

ポーラオルビスHD社長を被告とする驚きの東京地裁判決

さきほど午後1時に報じられた読売新聞ニュースをみてビックリしました(「契約書は偽造の可能性高い」、ポーラHD社長へ株譲渡「無効」…東京地裁判決)。取締役が社長を内部告発した事例として、2018年には注目をしておりましたが、2020年3月に関連裁判が「門前払い」判決で終わっていたため、その後は沈静化していたものと思っていました。おそらくポーラオルビスHDの株主の方々も、これで一安心と考えておられたのではないでしょうか。

しかし、昨日(1月29日)の判決(東京地裁)は、先代ポーラ化粧品社長(故人)が保有していた関係会社の株式について、同社長が現HD社長に譲渡する内容の契約書が「偽造」であるため、関係会社株式の譲渡契約は無効と判示したようです(あくまでも上記ニュースからの情報であり、判決文は読んでおりません)。ということは、この関係会社(ポーラオルビスHDの大株主)が先代社長の遺産として相続財産の中に戻ってくることとなり(遺産争いの最中です)、東証1部であるポーラオルビスHDの支配権が大きく変わる可能性がある、ということになりますΣ(・□・;)ホンマカイナ

それだけではなく、もし契約書が「偽造」とされると「あっちも偽造か?」と火の粉が飛んでくる関係者(関係法人)もいらっしゃるようで、監督官庁はどう動くのでしょうかね?いや、たいへんな状況です。今後、経済誌を含めて様々なメディアからニュースが飛び出してくると思いますので注目しておきたいと思います(いろいろと複雑な背景事情もあるのでしょうね)。

それにしても、こういったことがあるので、改正公益通報者保護法が保護対象に「会社役員」を含めた意味は大きいかもしれませんね。もちろん、まだ裁判が続くと思いますが、この内部告発をされた取締役に「会社を混乱させた」として辞任勧告を出した取締役会(監査役会も)は、今後どう対応されるのでしょうか?

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コメント

世の男達が、クルマやクルーザー等に数百万〜億単位のお金を注ぐ事に比べれば、女性達が美顔や頭髪、エステにかけるお金などは「わずか/些細なものでしょ!?」という声が、巣ごもり生活が定着化している家庭:夫婦/各所から聞こえて来そうです。
そんな彼女達が、例えばPOLA上野芝店に通い、70分のエステ料金として払う22,000円余の中から、最終的に幾らくらい、創業者一族等へのフトコロに「ロンダリング」しているのでしょう。
(全国紙の広告主定番でもある「女性自身」や、「日経ウーマン」誌等で女性視点での相続係争に対する世間評価も見てみたい…と思ってしまいした)

上記:POLA上野芝店のブログでは、社の企業理念にもある「‘私たちは美と健康を願う人々および社会の永続的幸福を実現します’」
という紹介と共に、地元の産業振興センターの一室などでエステスクールなども開催されている様です。

JAVAという、動物実験の廃止を求める会という名称のNPO法人:ウェブサイトでは、「大手メーカーへの働きかけ」という表題(2015年1月29日)でポーラ・オルビスグループも動物実験廃止企業の仲間入りをしている事が、当時の広報・IR担当取締役/藤井彰氏からの書面と共に紹介されています。そこには、引き続きPOLA社の紹介として、
「1929年に創業し、2006年、ポーラ・オルビスホールディングスとして持ち株会社体制へ移行したポーラグループは、通販会社として始まった自然派のオルビス(株)、スーパーやドラッグストアで購入できる(株)pdc、高級オーガニック化粧品ブランド・THREE((株)ACRO)を抱えるほか、豪州のオーガニック化粧品・ジュリークやフランスのオルラーヌ、米国のH2OPLUSなど外資系ブランドも傘下に収めています。」
と記されています。

上場一部の企業/取締役のスーツの胸に、彩色鮮やかなSDGsバッジが付けられている事が半ば当たり前になりつつある昨今ですが、機関投資家をはじめとする株式市場での評価基準に占める度合いと重要性急増中のSDGs…透明性と説明責任を含む「5つの主要原則」や「17の目標と、169のターゲット」の項目のどれに、上場企業の(間接的とはいえ)エンドユーザーのお金で成り立つ企業の、経営者の醜態に対する是正項目はどこに存在するのだろう(?)と思いつつ、テレビの家政婦ドラマのネタにされる様な事が、いつまでたっても無くならない創業者視点的なのオカネの感覚に、(これもまた?)コロナ禍での行動変容が求められる一つかと、思っています・・・。

投稿: にこらうす | 2021年1月31日 (日) 05時25分

「取締役」「会社役員」というのは、それなりに権力を持った方だと常識的に判断したいです。
内部通報で会社、取締役会、監査役会が「動かない」ので内部告発に至ったのでしょうが、それでも不利益を被ってしまうのは悲しいです。

従業員レベルで、直属上司、コンプライアンス部門や経営陣に公益通報しても「潰されてしまう」のは当然のように思えます。
日本の大企業の悲しい現実です。

日本国政府や監督官庁、経団連に「当該企業に対する真摯な対応要請」をお願いしたい気持ちでいっぱいいっぱいです。

投稿: 試行錯誤者 | 2021年1月31日 (日) 17時04分

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