週刊金融財政事情に論稿を掲載いただきました。
日経や産経のニュースによりますと、東芝の経営陣や金融機関が、ファンドによる買収提案に対して消極的な意見を持っていると報じられています。ファンドによるバイアウトが成立するとなれば、そもそも指名委員会等設置会社である必要性も、また独立社外取締役が設置される必要性もなくなるはずなので、東芝の現経営陣の判断は多分に利益相反性を帯びているものと考えられるのですが、いかがなものでしょうか。
さて、週刊金融財政事情の最新号(2021年4月20日号)に「日本郵政の検証報告書から読み解く内部通報制度の重要性」と題する論稿を掲載していただきました。当ブログでも必読!と書いた日本郵政の内部通報制度の検証報告書ですが、この報告書は、他社が今後の法改正(公益通報者保護法)やガイドライン・指針の策定に伴い、現状の内部通報制度を見直すにあたってたいへん貴重な資料と思われますので、本稿を執筆いたしました(なお、日本郵政は当該報告書に沿って内部通報制度を見直したようです)。
とりわけ(日本郵政グループの)現行の内部通報制度の検証方針を(図表にして)ご紹介しておりますが、ここは公益通報への適切な対応体制の整備が義務付けられる事業者にも参考になるのではないかと。日本郵政の報告書はとてもよくまとまっているものと思いました。全国書店にて発売中なので、ご興味がございましたらご一読くださいませ。なお、私的には同誌に掲載されているNOT法律事務所弁護士の方による論稿「コロナ禍で相次ぐ大企業の減資、『資本金1億円』の誘因」がとてもおもしろかったので、そちらをお読みなることもおススメいたします。
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コメント
本題からは少しそれますが、大企業の減資が増加する中、公正取引委員会は、下請法における親会社・下請会社の定義にいつまで資本金を基準とするつもりでしょうね?
投稿: sugi | 2021年4月16日 (金) 19時50分
日本郵政の検証報告書、「必読!」なのですね。
私は日本郵便の「通報者への脅し、強要未遂」の在宅起訴についても検証していただきたいと思います。
山口先生の論稿掲載誌も拝読し、企業との「公益通報者への不利益取扱」話し合いを有益(不利益の逆です)な時間にしたいです。
2017年末「企業の価値を向上させる実効的な内部通報制度」購入し、繰り返し読んできました。
今こそ企業の価値を向上させ、自分も前に進みたいです。
投稿: 試行錯誤者 | 2021年4月17日 (土) 11時11分