内部通報認証制度(自己適合宣言登録制度)の見直しについて
すでにご承知の方もいらっしゃるかとは存じますが、消費者庁は、今年6月に改正公益通報者保護法が施行されるにあたり、内部通報認証制度(自己適合宣言登録制度)の見直しを図ることになりました(消費者庁のリリースはこちらです)。これに伴い、現行制度は当面休止されることとなったため、2019年2月より指定登録機関となっていた商事法務研究会は1月末日をもって業務を終了されたそうです(商事法務研究会のリリースはこちらです)。
SDGsへの関心が高まる中で、WCMSマークを取得する予定で頑張っておられた上場会社も多かったと思いますので、検討中の会社の方々はちょっと驚かれたと思います。ただ、改正公益通報者保護法が施行されますと、常用雇用者が300名を超える事業者については、内部公益通報への対応業務に関する体制整備義務が発生し、義務違反には消費者庁による行政処分が明記されています。また、改正法の一部を構成する「指針」も公表されましたので、「内部通報制度の認証」と法規範(およびその解釈)との齟齬を避けるためにも、新たな認証は控えるべき、とされたことが推測されます(あくまでも、私個人の推測です)。
また、私が消費者庁の公益通報者保護制度の実効性検討会の委員を務めていた頃から言われていましたが、通報制度の実効性向上のための施策としては、①認証制度、②民間事業者ガイドライン、③法改正という「三つの矢」で進めましょう、ということでした。このたび、③によって実効性向上を図ることとなりますので、①については「実効性向上の役割を一定程度果たしたもの」として休止する、ということかもしれません。とりあえず「自己適合宣言登録制度」という過渡期の制度でしたので、見直し後は「純粋な第三者による認証制度」を導入することが検討されるかもしれません(もちろん、私個人の推測にすぎませんが)。
いずれにしましても、内部通報制度の充実に向けて、認証制度のむずかしい登録手続きをこれまで担っていただいた商事法務研究会の関係者の皆様には本当に感謝しかありません。(消費者庁との関係があるので難しいのかもしれませんが)3年間の実務をどこかで「公共財」としてご紹介いただければありがたいなぁと(勝手に)思っております。
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コメント
(寒中お見舞い申し上げます)
JAPANの伝統的食文化/風習である「恵方巻き」…今朝の全国紙朝刊での折込チラシ=スーパー各社の販売展開は、年々エスカレートする一方の様で、質素倹約が美徳…とは真逆の、高級食材&高単価傾向でもある様です。
夏にも同様の…土用の丑の日の鰻/蒲焼きでも、コンビニでの乱売から、1食当りの売価が急上昇して、海洋資源も枯渇寸前。
恵方巻きの具材も、SDGsを推奨している国家の中の出来事とは思えないエスカレート?果たして、今夜閉店後のスーパー各店のバックヤードに、恵方巻きの売れ残りが山積し、食品ロスの全国集計は、一体何十トンになるのやら…。
現行法上で、食品ロス関連の法規類が、どの程度施行/展開しているかの詳細までは存じませんが、果たして、正確に食品ロス数値を計上しているかは…疑問符が脳裏に浮かぶ心境です。(そして、例えばパート従業員には、内部通報者としての資格は如何に?)
エビデンスという言葉が流行語大賞候補になるほど、コロナ/オミクロン株の猛威の昨今で、果たして恵方巻きを、ハンバーガーの如く口にほうばれば、免疫効果の一つでも上がる?と本気で思う人がいると、飲食や食品会社の広報関係者や、それを報道するメディア…だったら悲しいし、リスクマネジメントには程遠いかと。
又、クルマ社会の雄であり続けている国内の自動車産業ながら、先日「自動車整備士、人手が不足」という報道に触れ、あのTOYOTA社傘下の店舗で不正車検が横行していたという史実的現状にも、あらためて、内部通報関連の法整備と制度の円滑な展開を望んでいます。
不正判明が多発し続けている下でのGDP数値…ましてやそれを集計する官庁までもが加担しての数値偽装の悪循環は、仮にコロナウィルスが人間の言葉を話せるとしたら、「人間の方が、我々より始末が悪いではないか!」と反論されるのではないでしょうか。
今の消費者庁に、悪意に負けない善意の戦士が存在されていらっしゃるのなら、内部通報各制度を鎧にまとい、(恵方巻きをパワーフードにされて?)6月の施行に備えて頂きたいと、思っています・・・。
投稿: にこらうす | 2022年2月 3日 (木) 09時43分
今回の公益通報者保護法に関する指針は、企業のする「べき」ことが多く並べられており、対応する現場は大変ですね。
ただ、日本の多くの上場企業が自浄作用を働かせられずに国の介入を招いた、と思うととても残念です。
確かに企業の不祥事が日本の国の活力を奪っていることはその通りと思いますが。
投稿: Kazu | 2022年2月 8日 (火) 23時36分