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2022年2月16日 (水)

急速に増え続ける不適切会計事案(まだまだ増える可能性あり)

1月29日リリースのこちらのエントリーでも書きましたが、予想どおり2月に入って上場会社における会計不正事案(不適切会計事案)が次々と公表されております。最近1週間で6社、すでに2月に8社の不適切会計事案が公表されていますね。ここまで急速に増えますと、不正調査を担う専門弁護士、会計士の数が不足してしまうのでは、と危惧しております。さすがに掛け持ちはできません。

2年前から当ブログでも警鐘を鳴らしておりましたが、コロナ禍において会計監査(会計監査人による監査及び監査役監査)が明らかに傷んでしまったので当然といえば当然です。ここ2年ほどご相談を受けていた状況からしますと、今後はさらに規模の大きな上場会社の会計不正事案が発覚することになりそうです。2020年に無理して定時株主総会を6月に断行してしまった会社が多かったので、「ツケ(しわ寄せ)が監査に回ってしまった」結果だと思います(これは「株主への配慮から総会を延期できなかった」ことによりますので、やむを得ないところかと)。

これから社内で会計不正事案が判明する上場会社としては、素直に会計監査人に報告・相談をして、東証の指示どおりに開示すべきです。無理な解釈をしたり、会計監査人に黙ってコソっと修正することで傷口を広げないことが重要です。「経営者関与」「組織ぐるみ」の会計不正事案となりますと、株価への影響が大きく、株主に多大な迷惑をかけることになります(提訴リスクも高まります)。社外役員(社外取締役、社外監査役)さんにも、青天の霹靂とならないように、タイムリーに不正判明の事実を伝えて、できれば対応を主導していただいたほうが「株主受け」は良いと思います。

本件はいろいろと書きたいことがありますが、まだまだ(私が委員長を務めております)委員会の活動が続いておりますので、また少し時間ができたときに自説を述べたいと思います。

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コメント

( JAPANのGDPは、金?銀?銅?)

山口先生の本エントリーを拝読している昨今/巷では、コロナ=オミクロン株と称する新たな変異株の猛威が、空港検疫等をすり抜けて、地方の村程度の地域まで既に「まん延」している状況下。
先生の文面中の、「会計不正」を「コロナ感染」とか、専門弁護士を医療従事者とか、会計士を福祉介護関係者などに置き換えてイメージすると、関西エリアはじめ各都市の医療崩壊等、甚大な悪影響を及ぼしている流れと重なりました。

そして、昨夏は東京で、今冬は北京で五輪が開催となり、オミクロン株は大した事無いと言う大方の楽観論も吹き飛ばす重症及び死亡者多発の猛威に、そしてエッセンシャルワーカー詰まりに、景気が停滞どころか、底なし沼に足がハマっている(?)ビジネスの世界も事実上の緊急事態宣言状態ながら、五輪報道は過熱の一途です。(もっとも、各放送局内部でも、公に出来ないクラスターが発生している模様)

山口先生が危惧されていらっしゃる会計不正事案(不適切会計事案)多発は、オンライン/在宅勤務が増加中の下では、更に「情報不正」も重なって、オミクロン株にも引けを取らない猛威で拡大…となってもいるかも知れません。例えば、会社に出勤すれば、出入口のセキュリティ経由で、外部との接触は一定遮断されますが、自宅や近所のカフェで業務となれば、機密情報などが容易に外部に発信出来ます。
(パソコンやスマホ経由でなくても、手書きで作成した文書をコンビニのファクスで流せる…など)

薬剤ドーピングで染まって、ロシア国籍で参加出来なくなったにもかかわらず、その国家元首を招聘しての北京五輪で、うさん臭い判定や影の不正操作が出ない筈は無い…と思っていたら案の定…。
それらを見て見ぬ振りをする?血税原資で報道するNHKをはじめとするの誇張的選手の早朝/深夜:終日応援の類に、仮に、メダル材料の「マテリアル人権問題」が無いと言い切れるのでしょうか。

佐渡の金山=世界遺産申請に、韓国から「強制労働」クレームが出た様に、南アやロシアから産出される金鉱物で造られるメダルに、SDGsに逆行する実態は無いと、誰が実証出来るでしょう。

IT社会における会計不正事案は、情報不正の面も重なると思いながら拝読して恐縮です。

JAPANのGDPは、そんな活動の下で推移しているし、その数値を鵜呑みにしての、一部の有識者がコメントするアナリスト内容など、実数値とインテグリティに乖離している疑念が払拭されない限り、国内ビジネスの「真の豊かさ」という「1位ゴール/(真摯な)金メダル」には程遠く(不適切会計下で一時的に「好業績」と評価=授与されても、それは薄っぺらいメッキの如く)、いつかは発覚/剥奪される運命なのだと(私も)危惧しています・・・。

投稿: にこらうす | 2022年2月20日 (日) 09時32分

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