ビッグモーター社の公益通報対応体制整備義務について
またまたビッグモーター社の保険金不正請求事案に関するエントリーですが、国交省、金融庁に続いて消費者庁も調査に乗り出した、と報じられています。第三者による調査報告書には従業員による内部通報が黙殺されていたことが記載されていましたので、消費者庁としても重大な関心を寄せているようです。
300人以上の常用雇用者が存在する事業者においては、公益通報への対応体制を整備する義務が(公益通報者保護法に)明記されており、これは上場・非上場関係なく法人の義務です。今回、消費者庁が調査を開始したことが公表されるのは異例ですが、そもそもビッグモーター社においては対応業務従事者の指定がなされていなかったのではないかと推測します。かりに同社において対応業務従事者が指定されていた場合には、同指定者が通報者を特定しうる情報を正当な理由なく提供していれば刑事告発の対象にもなります。
対応業務従事者を指定していないとなると、そのこと自体が対応体制の整備義務違反となり、行政処分の対象となります(指導、勧告等)。法改正後の消費者庁の動きがあまり開示されていないので、本件への調査結果がどのようなものになるのか、関心をもって見守りたいと思います。
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