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2023年8月31日 (木)

BM事案-損保ジャパンは「組織ぐるみの不正」と言われてもしかたないかも・・・

よく「バッドニュース ファースト」と言われ、コンプライアンス経営を実現するためには、現場から経営トップに悪い情報が迅速に届く体制作りが必要との解説を見かけます。しかしバッドニュースを伝えても、経営トップがこれを握りつぶしてしまうともはやブラック企業の仲間入りです。8月30日21時現在の共同通信の特報ですが、

中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の不正請求問題で、損害保険ジャパンの白川儀一社長がビッグモーターとの取引再開を協議した昨年7月の役員会議の数日前に、不正を否定したビッグモーターの自主調査結果は同社に都合よく改ざんされたものだと部下から報告を受けていたことが30日、分かった。

とのこと。ちなみに「都合よく改ざんされた」という内容は、ビッグモーターの自主調査結果は当初「工場長による不正の指示があった」というものでしたが、その後「ヒューマンエラー」と書き換えられたことを示しています。これまでのニュースでは損保ジャパンの社長さんが不正請求の可能性を認識しつつ・・・とされていましたが(おそらくこちらのニュースなどのトーンからでしょう)(*_*;、もはや不正請求の事実を認識しながら取引を再開した、と断定できそうなニュース内容です。←追記:31日午前1時現在、上記共同通信が伝える事実について他のメディアは追随していませんが、共同通信さんはいったいどこから情報を入手したのでしょうかね?

上記役員会議(取締役会なのか経営会議なのかはわかりませんが)では、社長が取引の再開を促していた、ということなのでもし上記共同通信のニュースが事実だとすれば損保ジャパンさんはかなりヤバいことになりそうです。社長さんはこの事実をお認めになるのでしょうか、それとも不注意にも誤解をしていた、との釈明をされるのでしょうか。ただ、BM社との取引再開によって停止時よりも損保ジャパンさんの売上が10%ほど伸びていたそうなので(こちらの産経ニュース参照)、取引再開はかなり切実な経営問題だったことは間違いなさそうです。

おそらく(損保ジャパンさんの親会社である)SOMPOホールディングスさんは事情を知らなかったものと推測しますが、損保ジャパンさんとしては組織ぐるみ、もしくは経営者関与の不正隠しが行われていたと言われてもしかたないのでは(役員会議に出席されていた社長さん以外の役員の皆様も、結局は取引再開に賛同されていたようですし)。いや、一番おそろしいのは監督官庁に対して故意に虚偽報告を行っていた場合です。これは大問題に発展しそうな予感がします。

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コメント

損保ジャパンの保険料収入は2兆円(うち自動車は1兆円)なので、ビッグモーター社との取引再開による100億が「切実な経営問題」とまで言えるかは疑問です。

支店長クラスならやりたくなる規模だとは思いますが…

投稿: 矢 | 2023年8月31日 (木) 11時58分

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