詳細が知りたい「オープンAI内紛劇」の対立構図
宝塚歌劇団に労基署の立入調査が入ったことが話題になっていますが、パワハラ問題ではなく長時間労働に関する調査なので、とくに新事実が出てくるものではなくて粛々と阪急電鉄側が応じればよいだけの話ではないかと。ただ、阪急電鉄側の自浄能力が疑われるような事態であれば「別の第三者」(たとえばBBCとか海外NPOとか国連人権委員会とか)が問題視する可能性はあるように思います(以下本題です)。
さて、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIの内紛劇ですが、同法人は11月22日、理事会が解任したアルトマン氏(前最高経営責任者CEO)をCEO職に復帰させることで基本合意したと公表しました。アルトマン氏の唐突な解任からわずか4日で収束したようで、アルトマン氏の解任かかわった理事3人は退任するとのこと(朝日新聞ニュースはこちらです)。
23日にロイターが報じたところでは、この理事3人とアルトマン氏との対立は「成長」と「開発の危険性」に関する考え方の相違にあったとされていて、解任事件の直前には同法人の研究者有志から役員会に対して「人類を脅かす可能性のある強力なAIの発見について警告する書簡」を送っていたそうです。もちろん世界最先端の技術開発会社であり、非営利法人が支配権を持つという特殊事情もあったと思いますが、AI開発とそのリスクマネジメントの「不調和」がどのような経緯でトップの解任劇にまで至ったのか、ガバナンスやコンプライアンスに関心がある者としては、詳細について知りたいですね。
ガバナンス論議において「攻めのガバナンス」とか「守りのガバナンス」とか「攻めと守りは一体だ」とかいろいろと抽象的な言葉が飛び出しますが、どんな力学が働いて収束に至ったのか。従業員の9割が理事3人の退任を要求したということはもちろん大きかったと思いますが、外部不経済への対応、AI哲学、コンプライアンスなど、どのような要素がどれくらい解任劇収束に影響を及ぼしたのか・・・。なかなか真実はオモテに出ないかもしれませんが、海外のメディアによって詳細な顛末が報じられることを期待します。
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