消費者庁-公益通報者保護法対応の内部通報導入支援キットを公表
本日(12月4日)、日大理事長の記者会見がありました。記者の皆様も現行私立学校法と日大の寄付行為の内容に対する理解がないと、なかなか学校側の説明は腹落ちしなかったのではないでしょうか。日経の記事コメントにも載せましたが、私は昨年10月以降、数多くの通報(告発)があったにもかかわらず、これに真摯に対処してこなかったことが今回の「ガバナンス不全」につながったと思います。古いところでは2014年12月、東芝に内部告発(社員2名によって金融庁に対する情報提供が行われた)がなければ、今日のような姿はなかったと思いますし、ホント内部告発の威力はすさまじい(もちろん、東芝は復活すると信じておりますが)。
そういえば、宝塚歌劇団の事件が世に出たのも週刊文春に内部者が情報提供したことが発端のようですし(調査報告書3頁の記載からの推測です)、熊本県の助成金不適切受給事件を扱うこちらの記事をみても、(真相を究明するための)内部告発代理人の要望・主張はきわめて妥当なものと思います。内部告発の代理人業務を請け負う弁護士が増え、内部告発が大きく報じられる時代だからこそ、内部通報制度の重要性は広く認識されるべきと考えます。
ただ、内部通報制度の整備こそ内部告発を防いで自浄作用を発揮するために不可欠の施策でありますが、なかなか痛い目に逢わないと資源配分に至らないのが企業社会の現実です。ということで(?)、平時から中小の事業者の皆様にも通報制度に親しみを覚えていただくため、本日(12月4日)消費者庁のHPに内部通報導入支援キットが公表されました。これまで導入経験のない中小企業の皆様にお勧めであることはもちろんですが、すでに整備していると自負されておられる大企業の皆様にも、改正公益通報者保護法に対応する内部通報規程のモデルや公益通報対応業務従事者の指定に関するモデル案が公表されていますので、ご参考にされることをお勧めいたします。
また、消費者庁として、今後公益通報者保護法の実効性向上に向けた施策を打つことを消費者庁長官が述べておられますので、ぜひこちらもご一読いただければと。以下、インタビュー記事からの抜粋ですが、
公益通報者保護法の周知・広報については、今年度の総合経済対策の施策に盛り込まれています。これを受け、消費者庁では、公益通報者保護法に関する企業経営者向けの解説動画(5分)、従業員向けの啓発動画(5分)、窓口担当者向けの研修動画(1時間)、制度を運用するための内部規程や通報受付票、内部通報対応の責任者・担当者の指定書のサンプルなどを一式そろえ、「内部通報制度導入支援キット」と名付けて、12月4日の正午に消費者庁ホームページに掲載します
とのこと。このような施策の一環として周知・広報がなされたわけですね。先ごろ、フィナンシャルタイムズ(FT)でも「日本の改正公益通報者保護法だけでは内部通報者保護は不十分」と指摘されています。運用面ではまだまだ課題が多いのですが、まずは多くの事業者の方々に通報制度や現行法を理解いただき、競争力強化につなげていただければと。(なお、全然関係ない話ですが、産経新聞ニュースやスポーツ紙で「(日大会見に登壇した)久保利(第三者委員会答申検討会議)議長のド派手なスーツ」が話題になっていますが、あのスーツはふだんの久保利さんと比べれば驚くほど地味です。おそらく場所をわきまえて地味目のスーツにされたのかと推測いたします。)
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