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2024年3月11日 (月)

ハラスメント問題はタテ軸とヨコ軸で考える時代になった(と思う)

この3年ほどの間に出版された企業向け「ハラスメント対策」に関する本を立て続けに5冊ほど読みました。「3年ほど」と限定しているのは、労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)30条の2が本格施行されたことで、(企業のリスクマネジメントの向上という目的において)事業者におけるパワハラ対策の必要性が高まり、ハラスメント対策本の解説も、そこに焦点があてられるようになったからです。ざっと読んだだけではありますが、最新事情に触れて、いろいろとブラッシュアップできました。

ハラスメント対策が企業のリスクマネジメントとして重視されるに至った背景事情としては、①パワハラ・セクハラ防止対策は(中小事業者を含め)職場安全配慮義務の一環との社会的認知が高まったこと、②「ビジネスと人権」への企業の対応に世間の関心が集まっていること、③企業のサステナビリティ経営に向けて、人的資本の拡充、開示が要請されるに至ったこと、④2022年6月、改正公益通報者保護法が施行され、保護要件の緩和された監督官庁へのハラスメント通報が急増していること等の影響が大きいものと思われます。

ということで、事業者側としてはハラスメント問題はヨコ軸とタテ軸で対応を検討する必要があると考えます。ヨコ軸とは「ハラスメントの相談、通報は被害者からではなく、同じ職場の第三者(しかも複数社員による共同相談、共同通報)からのものが急増」という点です。職場環境の問題として、社員は他者へのハラスメントについても相談、通報することが多く、加害者による「犯人探し」や「不当な圧力による証拠隠滅」の不安も比較的低減する傾向にあるのでしょうね。かつては退職者による通報なども多かったように記憶していますが、現在は現役社員が職場環境を向上させる目的で上司に相談、もしくは社内窓口や監督官庁に通報をする例が増えています。

そしてもうひとつ「タテ軸」とは、部下から相談を受けた上司や通報を受理したコンプライアンス部員が相談や通報に対して十分な対応を怠った場合、その上司やコンプライアンス部員の言動(不作為)も「二次セクハラ(セカンドセクハラ)」や「二次パワハラ(セカンドパワハラ)」として訴えられたり、懲戒処分の対象になるというケースが増えているという点です(有名なのは、最終的には裁判で否定されたもののサントリーホールディングス事件の裁判例ですね)。ステイクホルダーは、企業の将来価値を判断するにあたり、どんなハラスメント事象が発生したのか、ということよりも、ハラスメント問題に企業がどのように向き合っているかという点を知りたいわけですから、このような流れになるのは当然かと。

このあたりのハラスメント問題への対処に関する考え方を理解しておくことは、とても重要ではないかと思います。

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コメント

おはようございます。
いつも貴ブログを大いに参考にさせていただいている者です。
本ブログで一点気になりましたのでメールさせていただきました。
労働施策総合推進法は、第38条の2ではなく、第30条の2ではないでしょうか?
当方の勘違いでしたら申し訳ありませんが、念のためご確認いただければと。

投稿: 艦長 | 2024年3月11日 (月) 08時36分

ご指摘ありがとうございます。直ちに修正いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。

投稿: toshi | 2024年3月11日 (月) 09時37分

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