経営にインフルエンスを与える法務になろう(新刊のご紹介)
明治のチェルシーが販売終了ということで、すぐに思い浮かぶのがシモンズのCMソング(1971年)です。当時小学生だった私は「どっちのお姉ちゃんがタイプかな」などと友人とはしゃいでいたのを憶えています。昨日(3月3日)のNHK「サザンオールスターズ45周年記念ライブ」では2曲目に「白い色は恋人の色」を桑田さんが唄いましたが、こちらはベッツィー & クリスでしたね(1969年)。ちなみに「チェルシー」の作詞は安井かずみで、「白い色は」の作曲は加藤和彦でした。こんな話を冒頭でしている私はすっかり高齢者です。🐱
さて、3月4日、もうかれこれ18年近く前からのお仕事仲間である木村孝行氏(小林製薬総務部長)のご著書「経営にインフルエンスを与える法務になろう」が店頭に並ぶとあって、さっそく入手しました(経営にインフルエンスを与える法務になろう-木村孝行著 商事法務 2,400円税別)。まだ中身をしっかり読んでおりませんが、おそらく企業の法務、総務、経営企画の皆様、企業法務に携わる弁護士の皆様にはとても関心の高い一冊ではないかと思います。
ちなみに「経営にインフルエンスを与える法務」なるフレーズは(ソニー創業者である)盛田昭夫氏によるものです。正解のない道(経営)で光明を照らす法務の役割は、ずいぶんと前から期待されていたのですね。
まずなんといっても木村氏の個人的な意見が前面に出ている点は高い評価。コーポレートガバナンスネットワークの勉強会でも、木村さんは発表者に忖度なくハッキリと持論を述べます。さすがあの「伊藤レポート3.0」でおなじみ伊藤邦雄氏を社外取締役に迎える取締役会を事務局で仕切っている責任者です(笑)。←木村さん、ここマズかったらあとで消しますね(^^;)
どっかから誰かの知恵を引っ張ってきたような法務マニュアル本ではなく「経営者と対峙して企業価値向上のために貢献できる法務の在り方」を自身の言葉で示している点はすばらしく、これに賛同するか、批判をするかは読者の自由ですが、きっと法務の在り方を自分事として読者が思考するきっかけになることは間違いないと思います。「法務部門と広報部門との社内におけるかけひき」のような話題がコラムとしてたくさん掲載されていますが、社内ネットワークの実務を経験していないと書けない内容ですね。
つぎに木村氏=倉橋雄作弁護士=少德彩子氏(パナソニックHD取締役)と木村氏=山内洋嗣弁護士=明司雅宏氏(サントリーHD法務部長)による二つの鼎談です。木村さんと食事をすると、前から「倉橋先生はすごい!」「山内先生は実務家として秀逸!」といった話をよく聞いておりましたが、なるほど、この鼎談を読むと「企業に寄り添う弁護士」とはこういった考え方ができる人なのか・・・と納得しました。かといって明日から簡単に参考にできるわけではありませんが(笑)。少德さんも以前から存じ上げておりますし、明司さんは(もろもろの意味で?)以前からお世話になっていて、以前ご著書を当ブログでご紹介したこともありましたが、木村さんのご著書でおふたりの意見を拝読できるのはとてもありがたい(またしっかり読んだあとで感想を書きたいと思います)。
そして最後に「弁護士30名・法務マネージャー30名による『法務担当者として持つべき重要な要素』『法務担当者としてやってはいけないこと』のアンケート結果」が圧巻です。おそらく、ここだけでも多くの法務担当者、実務家が「読みたい」と思うでしょう。立ち読みするにはちょっと分量が多く、また珠玉の回答もちりばめられていますから、ぜひ購入して精読したいところです(笑)。チラっと読みましたが、ずいぶんと私と違う考え方の実務家もいらっしゃいますね。私がお勧めしなくても間違いなく売れる一冊だとは思いますが、ぜひ多くのビジネスパーソンにお読みいただきたい一冊です。
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