政策保有株式解消(向けた努力)のインパクトは思ったよりスゴイ
キダ・タローさんがお亡くなりになったということで、たいへん寂しい思いです。キダさん作曲の深夜ラジオ「ヤングリクエスト(ヤンリク)」のオープニング曲は(初代)奥村チヨさんの歌唱時代から毎晩聞いておりまして、とくに大学受験のころにはお世話になりました。本当にお疲れ様でした。
さて、りそなホールディングスの連結決算発表において、政策保有株式の加速度的削減に関する発表もありましたが、(おかげさまで?)年初来高値に迫る株価上昇となりました。もちろん金利正常化が銀行の業績に及ぼす影響も大きいですが、証券市場での「政策保有株式解消」への好感度は予想以上でした。メガバンクも政策保有株式解消の目標を立てて開示していますので、金融機関全体でも10兆円以上の政策保有株式が手元から離れることになるのでしょう。企業経営者どうしの「もたれあい」がなくなれば、今後ガバナンスの実質化は進むものと思います。
そういえば「損保の闇 生保の裏-ドキュメント保険業界」(柴田秀並著 朝日新書 2024年)を読みましたが、損保大手4社による保険料価格調整問題の大きな要因が保険会社と取引先との株式持ち合いにあるそうで、その詳しい実態は予想以上に深刻だと受け止めました(今年3月、各大手損保とも、可及的速やかに解消すると宣言しています)。持ち合い解消に動けば取引先から保険契約見直しを迫られるので、なかなか解消ができないとのこと。損保不祥事の背景にも政策保有株式の存在があります。
先日ご紹介した丸木強氏の「モノ言う株主の株式市場原論」では、なぜ株式持ち合いが問題なのか、丸木氏が解説しています。経営者の味方をする複数の政策保有株主は、持ち合い合計が5%以上となる場合でも金融商品取引法上の大量保有報告書(共同保有者)を提出しないのは法令違反ではないかと主張されています。金融庁も「保有株ウォッシュ」検証に乗り出したようなので、持ち合い株式の開示(ただし純投資であれば開示不要)にも要注意ですね。たしかに「ウルフパック」が問題視されているのですから、「政策保有株主パック」も問題視されても不思議ではないような気がします。
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コメント
以前にもコメントさせていただいた記憶がありますが、損保の闇を解消する策として、日本におけるブローカー(保険仲立業)の規制を欧米並みに整備していくことが望まれますね!
投稿: Qちやん | 2024年5月18日 (土) 15時07分