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2024年6月 8日 (土)

(6月10日追記あり)なんぞある!?-積水ハウスの新築マンション解体騒動

(6月10日追記)少しコンプライアンス事案の香ばしい匂いがいたしますが、積水ハウスが事業者とされる東京国立市に建設していたマンションが、完成間近になって急遽取り壊しとなったそうです(たとえば朝日新聞ニュースはこちら)。朝日新聞の取材に対して、積水ハウスは「解体の理由については、景観も含め周辺への影響の検討が不十分だったため」とのことで、「購入者に説明し、近隣住民へも説明に回っている」と回答されています。

近隣住民による反対運動に屈して完成間近の10階建てマンションを取り壊す、といった理由はちょっと信じられないので、一体何があったのか、これは積水ハウス社が事業者としてきちんと世間に説明する必要があるのではないでしょうか。かりに取材回答のとおりであればコンプライアンスに前向きな企業ということになりますが、では「なぜ建設前に判断できなかったのか?」といった別の疑問も湧いてきます。これからの全国のマンション建設にあたって、「あの業界トップクラスの積水でさえ反対運動に屈して完成間際に取り壊したぞ!俺たちも建物が完成したとしても取壊しを目的とした運動を続けよう!」とマンション建設全体の反対運動を盛り上がらせることになり、他の不動産事業者に与える影響は大きいのではないかと。

まさか完成直前に建築基準法違反の事実が判明した・・・ということではないですよね?建築士法違反とか建設業法違反によるペナルティで済まなかったのでしょうか?とりあえず、今後の積水ハウス社の対応に注目をしておきたいと思います。

(6月10日追記)日経クロステックの10日付け記事で第1回、第2回の住民説明会議事録(要旨)を読みましたが、通常の事業者・住民間での意見交換と変わるところはなく、とくに問題となるようなものではないようです。では、なおさら何があったのか?疑念は深まるばかりです。

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コメント

ご無沙汰しています。以前、「しがない内部監査員」でコメントした者ですが、異動により子会社の監査役に就任したので、益々、山口先生のプログや寄稿のお世話になっています。

さて、完成引き渡し目前のマンションを解体する……と聞いて思い出したのが10年前の「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」ですね。コンクリートの駆体に配管を通すための穴(スリーブ)の不備が750ヶ所もあり、是正(補修)工事を行うのではなく、解体して再建築する、という判断を下した案件です。

今回もこれに類する工事の不備が発覚したんじゃなかろうか…… とか想像してしまいます。

投稿: しがない監査役 | 2024年6月10日 (月) 13時37分

どうもご無沙汰しております。コメントありがとうございます。そういった事故でも起きないかぎり、完成直前に契約を反故にしてでも解体する、という判断にはならないような気がするのです。現時点でコンプライアンス事案かどうかは断定することはできませんが。

投稿: toshi | 2024年6月10日 (月) 13時46分

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