積水ハウス国立マンション解体事案-やはり解体理由はわからない
人気マンションブロガー「スムログ」さんのブログ「これからの国立の話をしよう(その2 グランドメゾン国立富士見通り)」を読みました。(その1)も含め、本件土地を積水ハウスが購入するまでの経緯(所有権移転経緯)や地域住民の方々との審議会、調整会の議事内容などを客観的資料から解説していて、とても参考になります。まだ今後も続編があるようです。
工事前の住民の方々との協議会議事録などを読むと、おそらく精緻な眺望パース(計画どおりの建物が建設されたことを前提とした眺望CGのようなもの)は住民の方々や委員の人たちにも提出されていたようですが、この資料にはあまり疑問が呈されていない様子です。建築上の法令違反は認められないとのことですが、この説明会や協議会の際に作られた眺望パースと、マンション完成後の実際の遠景眺望には齟齬はなかったのでしょうか。
また、議事録を読むと積水ハウスの責任者の方は「私が独断で検討しているわけではなく、社内で情報を共有して意見を集約してお持ちしている」と回答しています。つまり社内でもそれなりに協議をしてゴーサインが出ていることがわかります。さらに「まちづくり協議会」の最終答申を読むと、絶対反対ということではなく、ボリューム感を低減して建設することを「積水ハウスの善意に期待して」要望したいとの結論に至っています。つまり積水ハウスが法令を遵守して建設することを承知のうえで、せめて町の景観に合うような修正を要望していたことがわかります。
このような建設前の経緯も踏まえると、やはり「景観への認識不足」を理由とした完成直前での(要望されていた「形状修正」ではなく)解体という意思決定(しかも直前までゴーサインは出ていたのに)は、どうも理解しがたいところがあります。私も(積水ハウスの善意に期待して)解体に至ったプロセスの説明はしておいたほうが良いのではないか、と思うところです。
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