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2024年9月17日 (火)

リスクマネジメントTODAYに論稿を掲載していただきました。

Img_20240916_204053733_512最近「つながらない権利」について議論されることが増えていますね。オーストラリアや英国では法制化される、ということで、日本でも実践している建設業界の大手企業なども紹介されています。上司や取引先から労働時間外にアクセスされない権利を認める、ということは、まず社員の評価を変えていく必要があるのではないでしょうか。

そもそも取引先から良い評価を受ける営業マンとは、普通なら実現までに(内部ルールからすれば)1週間かかる要望を、なんとか明日までに実現してくれるタイプの社員のはず。そこには当該営業マンならではのネットワークを活用して無理を聞いてくれる仕事ぶりがあるわけですが、「つながらない権利」(あるいはこれを尊重する義務)が制度化されると、属人的な素養によって取引先から評価を上げることは困難になるように思います。本当に「つながらない権利」を企業が尊重するのであれば、取引先にも理解をいただくことと、自社社員の評価内容を変更することが不可欠と思うのですが、それって本当にできることなのでしょうか・・・。またまた「管理職受難の時代」が深化しそうな予感もします。

さて(前置きが長くなりましたが)、一般財団法人リスクマネジメント協会発行「リスクマネジメントTODAY」最新号(146号)特集「不祥事は防げるのか?」におきまして、「企業不祥事の事前防止に必要なリスクマネジメントとガバナンス」と題する論稿を掲載していただきました。

日ごろは「不祥事は起きることを前提に早期発見、早期是正の措置を講じよ」とお伝えすることが多いのですが、業種によっては不祥事を起こすこと自体で大きな社会的信用を毀損させることもあり、最近は事前防止措置へのご要望が多いのですよね。私からみれば事前防止型措置はレベルが高いのですが、そういった不祥事予防重視型のリスクマネジメントの施策について提言をしたものです。

なお、企業の有事対応というのはすでに企業不祥事発覚後に対応するケースが多く、その巧拙というのは我々支援する側にも、また企業側にもわかりやすいですね(公表されている事案であれば第三者評価もできますね)。しかし事前防止策の巧拙というのは、果たしてその防止策があったから不祥事が起きなかったのか、それとも何も施策を講じなくても起きなかったのかは、よくわからないのです。ということで我々の商売にもなりにくいところであり、そのあたりの理由もあって、事前防止型措置はレベルが高いと感じている次第です。

RM協会HPより、一冊からでも購入できるようなので、ご興味がございましたら、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

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