エフエム東京社長のパワハラ辞任と同社の自浄作用
日本司法書士会連合会の副会長さんが(強制執行妨害容疑で)暴力団関係者と一緒に逮捕された件は驚きました。いやいや重大事件ですよね。司法書士会は登記制度を管轄する法務省の監督下にあるので、法務省もビックリではないかと。ちょっと深い闇もありそうで、これから司法書士会としてはどうやって信用を回復されるのか注目しておきます。以下、短めの本題です。
兵庫県では、告発文書問題で知事が失職、出直し選挙となるそうですが、エフエム東京では社長のパワハラに関する複数の内部通報を受けて、常勤監査役が調査をして取締役会で調査結果を報告、それに先立ち、社長はパワハラを認めて社長を退任を自ら表明されたそうです(朝日新聞ニュースはこちら)。パワハラが人材の流出をもたらした、となると会社にとって重大な問題ですね。
民間企業では、これが経営陣によるハラスメントへの「あるべき対応」であり、まさに公益通報者保護法上の対応体制整備義務に沿った運用です。民間企業では自浄作用を発揮するからこそ社会的信用が維持されます。どうしても社長の力が企業にとって必要であれば、エフエム東京のように代表権のない会長として貢献していただけばよいと考えています。
ちなみに兵庫県の一連の事件をうけて、公益通報窓口担当および通報調査担当を顧問弁護士から中立弁護士に変更する地方自治体も出てきたようです(朝日新聞ニュースはこちら)。行政機関においても、法令遵守の一環として「公益通報対応体制整備義務」をぜひ尽くしていただきたいですね。
| 固定リンク
コメント
山口先生が臨時委員を務められていた「企業会計審議会内部統制部会」において、令和4年11月8日第23回部会の議論で、松本祥尚臨時委員が「今回の未検討の事項として、内部通報制度に関する議論があまりに少な過ぎるような気がします。特に通報先の外部の顧問弁護士が経営者側に寝返るようなケースもあるように、外部の顧問弁護士を内部通報先にすることが代表的な例として規定されている状況は改善すべきと思います。」と発言されていたことを思い出しました。企業においても、内部通報制度は知っていても使いたくないと考える社員が一定数いる理由の1つにこのことがあるように思います。
投稿: ヤマノボリ | 2024年9月28日 (土) 15時43分