今年は原因究明がむずかしい企業不祥事が多い(ように思う)
韓国大統領のレームダック化、そしてシリアにおけるアサド政権の崩壊等、日本国民として民主主義の在り方を考えさせられる重大事態が生じておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。そのような重大事態とは比較になりませんが、私的に気になっていることについて一言。
今年発覚した企業不祥事についての第一印象ですが、ホント「なんで起きてしまったのかわからない」という不祥事が多かったですね。メガバンク、金融庁、東証、信託銀行の各職員によるインサイダー取引疑惑はすでにエントリーでご紹介しましたが、その他にもメガバンク行員による貸金庫窃取事件、大手証券会社行員による強盗未遂事件などは、個人の私利私欲のための犯罪とはいえ、金融機関全体の信用毀損につながるものであり、かなり衝撃的であります。
どの事件も社内調査を行っていると思いますが、その原因究明はむずかしいですよね。原因究明がむずかしければ(曖昧であれば)、当然のことながら再発防止策にについても説得力が欠けることになります。となると信用回復にも時間を要することになり、競争上のハンデを背負いながら事業を進めざるをえません。
インベストメント・チェーンにおけるインサイダー取引については、審査や調査の実務を知っているがゆえに「身内は疑わない」という慣行のようなもの(そのようなものがあるかどうかは知りませんが)を熟知していたのでしょうかね?対外的には性悪説で臨むが、身内には性善説で臨むとか、そういった慣行でもなければ、なぜ指導的立場にある方々が比較的単純な自己売買取引を行ってしまうのか理解不能です。
ホワイトカラーの不正行為はクレッシーの三原則(動機、機会、正当化事由)がそろうことで実現に至るとよく言われますが、とりわけインサイダー取引についてはこの三原則がきちんとそろったのかどうか解明してほしいです。動機は別として、「機会」と「正当化根拠」がどこにあるのか、とても興味があります。
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大手銀行三菱UFJ銀行以外の貸金庫で1000万無くなったという放送作家安達元一さんの5年前の出来ごとについて朝日新聞が土曜日大きな記事を掲載していました。最終的に1000万は返金され解決金も出たが詳細や誰がやったか知らされなかったそうです。最近いろいろな強盗事件もあり日本も修羅の国になっているのでしょうか。
投稿: 星の王子様 | 2024年12月11日 (水) 15時08分