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2025年1月14日 (火)

東京女子医大事件と「公益通報者への不利益取扱い」

ご承知のとおり、東京女子医大元理事長が背任容疑で逮捕された、と報じられています。朝日新聞ニュースを読むと、捜査が難航していたときに第三者委員会の「一級建築士資格者への業務報酬」調査が突破口になったそうで、第三者委員会の存在意義も示された事件でしたね。

週刊文春の第一報記事が2023年4月ということなので、お二人の内部告発者が文春に公益通報(3号通報)を行って約2年。ようやく逮捕まで至ったということでしょうか。しかし残念なのは元理事長が内部監査室に命じて告発者探しを行い、公益通報者を特定したうえで退職に追い込んだそうです(内部資料を文春に提供しておられたようです)。自分の職を賭す覚悟がなければ外部公益通報ができない、という状況は早く是正すべきです。これほどガバナンスが機能しない組織であったとしても、その不正が糾弾される機会を得られたのは内部告発があったからとしか言いようがありません。

そういえばビッグモーター事件でも、告発者が「通報事実は私の勘違いでした」という念書を後日書かされた・・・ということがあったように記憶しています。告発者潰しが不正の早期発見・早期是正を困難にさせる、という事態は企業の品質自体を毀損します。改正公益通報者保護法を早期に成立させ、このような事例を少しでも減らせるように尽力したいです。

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コメント

お忙しい中、貴重なブログ発信感謝です。
今回の大学や県、企業不祥事に関する内部通報者に対する不利益な扱いは後を絶ちません。非常に残念です。公益通報者保護法の改正案の早期成立が待ち望まれます。加えてメディア等の報道の問題も大きいと思います。不祥事の起きた際のテレビ等の報道も当該組織の問題追求は一切ないと言えるような状況です。上場会社における内部通報制度は内部統制システムの重要な要素であり、内部統制システムの有効性について監査役等の監査も行われているはずです。テレビ局も上場会社がほとんどですが自己の不祥事対応情報の開示もできないからでしょうか。

投稿: コンプライアンスの番人 | 2025年1月14日 (火) 10時47分

ビッグモーターの「内部告発」の件は損保ジャパンの2023年中間報告書によって明らかにされたものですね。損保ジャパンの関係者も告発の隠ぺいに関与していたものです。このほかにもビッグモーターの調査委員会が内部通報への不適切な対応を批判しているものもあります。ホント、内部通報や告発が機能していればビッグモーターも損保ジャパンも自浄作用を発揮することができたのに、とんでもない行動です。せっかく社会的批判を浴びずに済む機会があったのに。

投稿: なかじ | 2025年1月14日 (火) 11時08分

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