会社法改正で実現するか-事業報告等と有価証券報告書の一本化
経営財務の最新号(3718号)記事によりますと、法務省は8月27日、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第5回会議を開催、「総会前開示の進展を踏まえた規律の見直し」では、事業報告等と有価証券報告書の開示事項の相違点についての対応や“一本化”の必要性などを議論している、とのこと。いよいよ「金商法と会社法の垣根を超えた問題」に真正面から光が当たることになるのですね。
コロナ禍において、私は(会計監査人監査、監査役等監査の実効性確保のために)「7月総会」や「8月総会」を強く推奨したことから、学者の先生方や実務担当者の方々からたくさんのご異論、ご批判をいただき、なるほど現状では総会の後ろ倒しは難しいという意見に(従業員の人権尊重という視点から)納得いたしました。ということで、有報の総会前開示を実現するためには会社法を改正して約4500社の有価証券報告書提出会社については有報の財務諸表等をもって会社法の計算書類等に一部代えること(具体的には連結財務諸表と連結計算書類のみ)を認める時期に来ているのではないかと感じております。
海外でも、金商法と会社法で2つの書類を作成しなければならないとする先進国はほとんど存在しないですし、有価証券報告書を総会前に開示して監査を総会までに終えることができれば、二つの会計書類の作成を認める必要性は乏しいと思います(ただし、私は「虚偽記載」の責任については現状の金商法上の開示責任を採用すべきと考えます)。
もちろん「有報の簡略化は不要か、簡略化を否定するとして、どの範囲で一本化すべきか」「有報の監査については会計監査のみとするか」「財務報告内部統制の監査意見は会計監査人のみでよいか(監査役監査も必要か)」等、実務的負担を低減すべき課題、法制度上の課題等を乗り越える必要はありますが、このたびの会社法制部会で真剣に有価証券報告書の総会前開示、有報と計算書類等の一本化が検討されているとのことで、「会社法と金商法の交錯点の課題のひとつ」が解決することに期待をしております。
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コメント
「総会の後ろ倒しは難しいという意見に(従業員の人権尊重という視点から)納得いたしました」との記載がありますが、どう言った意味でしょうか?補足いただけますとありがたいです。
投稿: unknown1 | 2025年9月18日 (木) 12時31分