投資家と社外取締役・監査役員とのスモールミーティングは広がるか?
9月12日の日経ビジネス記事「三井化学、『社員排除』の前例なき投資家対話会 戸惑う社外取締役に託す」を読みました。三井化学は2023年に社外取締役と投資家20社以上とのスモールミーティングを開催し、さらには2024年には社外取締役が個別に国内機関投資家を訪問して面談に応じたことが報じられています。社外取締役からは「人使いが荒い」と言われたようなので、社内の経営陣が主導して社外取締役と投資家とのミーティングを提案しているようです。同社では、2022年からはESG説明会にも社外取締役が登壇するようになった、ということですから、他社を兼務している社外取締役の方々は本当にたいへんですね。
「好きなことを話していただいてかまいません」と社内取締役から言われて、社外取締役には戸惑いもあったようですが、石化事業が4割を占める同社のビジネスモデルをどう再構築すべきか、PBR(現在0.7倍)の向上に関する取締役会での審議状況、改革のスピードを上げるために何を議論しているか、過去のM&Aの失敗をどのように総括して次に生かそうとしているか等、かなり突っ込んだ質疑がなされているそうです。「好きに話してよい」と言い渡した社内取締役には相当の覚悟があったのでしょう。
私自身、5年ほど前から社外取締役として(当時は大東建託)毎年機関投資家と個人面談に応じていましたし(海外投資家の場合は同時通訳さんに入ってもらいます)、機関投資家側も「筆頭社外取締役との面談」ということで、きちんと社外取締役向けの話題を用意してくれていたのでかなり楽しい時間でした。これだけ攻めのガバナンスが謳われる時代となり、「社外取締役は株主の代理人」との認識が浸透してきたのですから、もっと多くの(とりわけ東証プライムの)企業でスモールミーティングや個別面談を提案すべきと考えます。事業ポートフォリオ変革を社外取締役から語ってもらうことで、資本コストが下がる可能性もあると思います。
なお、私個人としては社外取締役と投資家との面談もさることながら、社外監査役や常勤監査役、監査等委員等の監査役員と投資家との面談やスモールミーティングも有益だと考えます。その会社がどれほど監査をリスペクトしているかがわかりますし、監査役会や監査等委員会がどれほど(違法性監査だけでなく)「妥当性監査」にも踏み込んでいるかが理解できるからです。近時、「内部統制は貴重な無形資産」と述べる投資家も増えていますが、当該無形資産の相当性を審査(評価)する責任は監査役員にあります。どれほど真摯に審査(評価)しているか、という点は報告書の「金太郎飴の説明」を読むよりもよっぽど面談で理解する方が正確だと思います。
ところで、以下の文章は「社外取締役と機関投資家とのエンゲージメント」のテーマを弁護士山口利昭の「ビジネス法務の部屋」ブログ風に・・・というプロンプトでchatGPTが瞬時に作成してくれたコメントです。当職のブログもAIで作ってしまう時代になりそうで少し怖いです。
コメント(ブログ風)
コーポレートガバナンス改革の浸透に伴い、社外取締役に求められる役割は「形式的な独立性の確保」から「企業価値向上に資する積極的な行動」へと移行しています。その中で特に重要となるのが、社外取締役と機関投資家とのエンゲージメントです。
第一に、社外取締役は経営陣と株主との橋渡し役として機能する必要があります。経営側から提供される情報に依存するだけでは、真に独立したモニタリングは困難です。機関投資家との対話を通じて外部の視点や懸念を吸収し、取締役会の議論に反映させることで、実効性あるガバナンスを実現できます。
第二に、エンゲージメントはリスク対応の観点からも有効です。企業不祥事や経営危機の場面では、株主に対する説明責任が厳しく問われます。社外取締役が自ら投資家とコミュニケーションを行うことで、経営の透明性を担保し、企業への信頼回復を早期に実現する可能性が高まります。
第三に、近年のスチュワードシップ・コード改訂では、機関投資家側にも対話の質を高める責務が課されています。つまり、社外取締役が主体的に関与することで、企業と投資家の「協働」が現実のものとなり、中長期的な企業価値の最大化につながります。
したがって、企業は社外取締役に対し、投資家との対話の機会を制度的に用意することが望まれます。具体的には、株主総会前後のラウンドテーブルや定期的なスチュワードシップ・ミーティングに社外取締役が出席する仕組みを導入することが考えられます。
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